「あるもの」をつなぐ No.31 シンイチロウ

スペシャルワークショップの振り返り

「組織の中でSFを活用する」をテーマに、みんなが抱える課題を持ちよって対話するワークショップを企画・開催いただきました。かねてからぼくがやりたいと思っていたテーマでしたので、このような機会をつくって頂けた青木さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。

そして参加頂きましたみなさまとの対話で得た学びは、ぼくの組織でも活かしていきたいと思います。とにかく参加者のみなさまの学ぶ意欲の高さに触発されましたし、ご自身のお仕事に真摯に向きあっている姿がとても素敵だなと思いました。みなさまとの出会いに感謝です。

今回のブログでは、ワークショップの振り返りをしつつ、得られた学びを読者のみなさまにも広げていければと思っています。どうぞご一読くださいませ。

ワークショップの様子

青木さんのファシリテーションに身を委ね、安心感に包まれた中で、6名の参加者のみなさまと会話がスタート。事前に読んでいただいた資料の質問や参加者のSF実践の課題を共有いただきながら、ゆるりゆるりと対話は進んでいきました。

みんなとの相互作用がすごい!

これは参加者のアンケートからもありましたし、ぼくの実感でもあります。ワークショップでは、参加者同士の対話が学びの促進に大きく寄与しました。特に、一人のSF実践の課題が、他の参加者の視点を広げたり、自分の状況に活かせる要素を見出す場となり、集団での学びの力を実感する機会となりました。

思い出してみると、ぼくは2007年にSF実践コースを受講したんですが、受講した仲間との振り返りに似た感覚がありました。今回事前に読んでいただいた組織風土改善の資料は、SF実践コースから生まれたものですが、その中でも仲間との対話から多くの示唆を得ました。SF実践は一人よりみんなで振り返るのがいいね!って感じでしょうか。

なんといっても、SFの場は何を言っても尊重されるので安心できるし後味もいいですよね。この雰囲気が好きなんですよね〜笑

「急ぎすぎない」ことって大事なんだね

仕事をしていれば、つい解決に向かって最短距離をとろうとしちゃいますよね。責任あるし納期はあるし、当然です。

だけど「なんかちがうな」と思うことありませんか?一緒に仕事している人が納得感なさそうとか、やる気がなさそうとか。その違和感、大事かもしれません。もっと良い、他の道筋があるかも。

対話を通じて「急ぎすぎない」ことの重要性を認識しました。人材育成や組織づくりにおいても、焦らずに進めることが、より持続可能な変化を生むという考えが参加者のみなさまに響いたようです。

成果を急ぐのではなく長期的な視点で取り組んだほうがいいよねという教訓として学びに繋がりました。

人として関わる、「素の感覚」でいく

青木さんから「素の感覚」という言葉が出たとき、「そう、それそれ!」と思ったので、みなさんと共有です。参加者のアンケートでも印象に残るワードとして挙がっていました。

組織で働く人たちは、自分なりに一生懸命やってます。でも自分の役割を全うしようとすると厳しくなって周囲の人たちとズレがでちゃうときがある。そんなときは役割を脱いで、人として関わる「素の感覚」になることが大事だよということです。

なんか急ぎすぎているなあと思ったら、一度「素の感覚」にかえってみると解決の糸口がみえてくるかもしれませんね。

既にあることは気づかない、希望や可能性を表出

「既にあることは気づかないんだよね」

これ、青木さんから出てきた時、参加者のみなさんがアハ体験をくらったんじゃないでしょうか。あたりまえのようで、めちゃ芯をとらえた内容です。

既にあることはあたりまえ。だから気づきにくいってことです。SFの真髄じゃないかって思うくらい笑。ちょっと言い換えると、既にあることの中に、いまもあり続けるためのリソースが隠れてるよってこと。

「リソースが隠れている」を補足すると「既にあることがあり続けるための理由をわかってない。だからその理由というリソースに気づいて使えたらいいね!」という感じ。いやあ、今回のワークショップは発見の宝庫です。

もう一つは、既にうまくいっていることがあったら、みんなに知ってもらうと可能性が見えて、希望がわいてくるってことです。組織って人がたくさんいて、コミュニケーションの接点がたくさんできるから、悪いこともあるけど、良いことだって必ずあるよ、それをみんなにシェアすると良いことふえるよってことです。

2つのアプローチ「ねえ、どっちをとるの?」

SFの取り組みはスタートが大事だよ〜という内容です。組織風土改善の取り組み資料に「ギャップアプローチ」と「ポテンシャルアプローチ」を説明していて、参加者のみなさまも関心があったようです。

ギャップアプローチのように足りないものからスタートすると、問題探しになりがちですよね。みんなで粗探しになっちゃう。つまり問題志向で組織風土改善を進めたら、組織風土はどんなふうになるだろうか?

一方で、ポテンシャルアプローチであれば、あるものからスタートできてリソースへ焦点があたりやすいって感じですよね。身近で起きてる良いことを見つけようとする。このような解決志向で進めたらどうなるだろうか?

この2つを想像してもらったうえで、組織メンバーにどっちのアプローチをとるか決めてもらうんですね。どっちを選ぶか。それはやってみてのお楽しみ。きっと解決志向を選ぶはずです。

SFを組織に導入する際に、入り口で困っている様子もうかがえましたので、この2つのアプローチを意識することで、取り組みの方向性を決める手がかりになるかもしれません。

コミットメント(約束)をもとめない

ギャップアプローチだと、どうしてもコミットメントをもとめる場面がでてきます。「目標は◯◯で△△までにやってくださいね。いいですか!」って感じ。これが悪いわけではないんです。相手がノリノリで受けてくれるなら問題ないです。

もし、相手の反応がいまいちだったら、上記のポテンシャルアプローチとともに、コミットをもとめないやり方を選ぶのも一つの選択肢です。

参加者のみなさまの様子を見ていても、コミットメントをさせることは目標達成において大事だし必要だと思っていました。当然ですよね。やってもらわなきゃ困るし。

ただ、過去を振り返って欲しいんです。約束が守られたことはどのくらいあるでしょうか。また、約束させることで、副作用はなかったでしょうか。コミットメントに関して一度見直してみるのもいいかもしれません。コミットメントをもとめる側も安心したいという気持ちがないか、一度点検してみてください。

振り返りが大事だよ

上記にあるように、ポテンシャルアプローチをとって、コミットメントさせないで目標達成できるの?大丈夫?なんて声が聞こえてきそうです。

こんな疑問を振られたら、「もう一つ大事なことがあるよ。仕事の振り返り方が大事だよ」と答えると思います。前向きに仕事を進められるようにリソースの発見と活用を後押しして、成功しても失敗しても努力や工夫を聞いてちゃんと労うんです。

こうした振り返りが、一人で仕事を進めているときの姿勢に大きく影響します。自分で工夫し努力して前進していけるようになります。チャレンジしてくれるかも。失敗しても怒られないですから。

終わりに

今回は企業の外部からSFを導入される立場の方が多く参加されていました。それぞれの方が様々なカタチで、SFで企業を元気にしたいという想いをもって取り組まれているんだなあと感じました。今後も引き続きご活躍されることを陰ながら応援してます。今回のワークショップがその一助になったらいいなと思います。

青木さん、参加者のみなさま、多くの学びをありがとうございました!

シンイチロウ

<2つのおまけ付き!>

1.資料共有:
シンイチロウさんが作成しスペシャルワークショップ参加者と共有した「SF組織風土改善の取組」の資料をご希望する方に送ってくださるそうです。シンイチロウさんに直接メールでリクエストをお願いします。メールアドレス:hop.res.sol@gmail.com

2.関連記事へのリンク
文中に出てくるいくつかの重要ポイントに関連する内容の執筆済みブログ記事をシンイチロウさんに選んでもらい、リンクを貼りました。さらに深く読み込んでみようと思われる方は、ぜひリンク先の記事も併せてお読みください。

・「ポテンシャルアプローチ」に関連する記事:
 「あるもの」をつなぐ No.10
 「あるもの」をつなぐ No.25

・「コミットさせない」に関連する記事:
 「あるもの」をつなぐ No.25
※コミットの話というより、コミットさせないことを前提にメンバーの大切なことを目標設定にのせることでコミットさせずとも意欲的に取り組める目標・戦略づくりをしたよという記事です。

・「振り返り」に関連する記事:
 「あるもの」をつなぐ No.6
 「あるもの」をつなぐ No.15
 「あるもの」をつなぐ No.20
 「あるもの」をつなぐ No.26

「あるもの」をつなぐ No.31 シンイチロウ” に対して3件のコメントがあります。

  1. シオタリョウコ より:

    小林さん、先日のスペシャルワークショップありがとうございました。

    今回のブログ読んで
    「ちょっとちょっと~小林さん! 小林さんがまとめてくださると、更にわかりやすいじゃないですか~!!」と、歓喜の舞状態です。笑

    気づきが多かったので、ワークショップ後、自分なりに整理したのですが、小林さんのブログを読んで(そうだ!そこだった!)と再確認できたり、忘れていたことを思い出したり。

    今回新たに気づいたのは、【コミットメント(約束)を求めない】のところで
    ●相手の反応がイマイチだったら、ポテンシャルアプローチとともに、コミットを求めないやり方を選ぶのも一つの選択肢です

    「~の場合は、~~が良いです」と断言するのではなく「選択肢の一つ」と表現されていたことにハッとしました。私、自分が良いと思ったことを断言しちゃってなかったかな?…と、思ったんです。
    立場上、これを言うと聞いた方々は引っ張られるかもしれません。

    解決志向は”学び合い,活かし合う”だった!を思い出しました。
    小林さん、いつもありがとうございます。

    1. シンイチロウ より:

      シオタさん

      コメントありがとうございます。
      ワークショップ、楽しかったですね♪
      まとめもお役にたててよかったです。
      シオタさんの歓喜の舞、見たかったです笑

      ぼくもブログ書きながら気づくことたくさんありました!
      持ち寄ったリアルな組織の問題を題材に、
      SF的にどう扱ったらいいのかを話し合うのは、
      とっても実践的で深い学びが得られました。

      またやりたいですね〜♪

      シンイチロウ

  2. おっくん より:

    小林さんへ

     すっかり秋めいてきましたが、小林さんはますます熱々のご様子ですね。いゃ〜参りました!

     ワークショップには参加しておりませんが、なんだかお腹いっぱいになった感じです。どの項目も全て「そうそう、はいはい、それそれ、なるほど、待ってました」なんです。なんでこんなにピッタンコなんでしょう。不思議ですね。

     参加された方もコラムを読まれた方も立場や環境は違うはずなのに、何故か求める「支え」は同じようです。おそらく中心者の確信(小林さんの場合は熱)が、ダイレクトに伝わってより大きな共振へと変化するからなんでしょうか。そうだとすればやはり実践に裏付けられた言葉の力はものすごいですね。

     今回も色々な気づきをいただきました。明日からの活動のエネルギーにさせていただきます。ありがとうございました。  おっくん

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