「明日からやってみようかな♪」と思えるSF流シンプル面談 No.2 諏訪太郎
部下を褒めることが見つからなくても大丈夫!
【部下を褒めて育てる?】
本屋さんで人材育成のコーナーに行くと、「部下を褒めて育てる」内容の本が多くあります。私もこういう本が好きでよく読むのですが、いざ実践しようとすると「褒めることって難しいな」と感じたことありませんか?部下の良いところを探してみるけど、良いところ見つからない。それどころか、部下の良いところを探しているはずなのに、探せば探すほどほど、部下の悪いところばかり思いついてしまう。
さらに、「褒めることって恥ずかしいな」と思ったことはありませんか?「Aさん、すごいね~」、「Bさん、最高だね!」って、本当は素直に褒めてあげたいんです。でも、大勢の前だと、「恥ずかしくて褒めてあげられなかった」なんて経験がある方も多いのではないでしょうか。実は今回ある経験を通じて、「たった一言」言われることで仕事へのモチベーションが上がる経験をしました。
その一言は、「褒めること」よりも簡単に探すことができて、簡単に伝えることができます。でも、その一言を言われると、「褒められた」時と同じぐらいモチベーションが上がるんです。そんな「一言」が言えるようになったらいいですよね。
今日のお話は、そんな貴重な経験をしたお話です。
【取引先担当者のある一言】
今日は、取引先の担当者との面談の日。先月、担当者が変更になり、新しい担当者と今日初めて会うことになっていた。これから長く付き合っていく方。「気が合う人ならいいな」と思いながら、新しい担当者との面談を楽しみにしていた。
「A社の担当者が来られました」
まずは、お決まりの名刺交換を済ませる。そして、お互い席に着いたと同時に、取引先の担当者が口を開いた。
「いつも丁寧なコメントをありがとうございます。うちのスタッフたちもコメントを見て喜んでいます」
何のことかと言うと、月に一度、取引先に業務月報の提出をお願いしている。そこには、その月の数字、トレンド、次月の戦略などを書いてもらっている。A4用紙1枚だが、書いてもらう内容は多岐にわり、業務月報を書くだけで1時間はかかる内容のものもある。業務月報を作成する取引先の努力がわかるので、私は自分が担当する30社の業務月報に、しっかりとコメントを返している。
「予算を達成しました」、「全社で〇位でした」と嬉しい報告をもらえば、「おめでとうございます!」と一緒に喜ぶ。
「次月は、こんな取り組みをしていきます」と報告をもらえば、「素晴らしい取り組みですね。お手伝いできることはないですか?」と、その取り組みに関心を持つ。
30社の業務月報をしっかり読み、コメントを返していくと、それだけで1日使ってしまう。それなので、同僚の多くは「頑張ってください!」と一言コメントを書いて、取引先に業務月報を返していた。それでも私がコメントをきちんと書くのは、「自分が業務月報にこだわりを持っている」、ただ、それだけの理由だった。
業務月報のコメントについて、相手から反応があるとは思っていなかった。だから、お会いした取引先の担当者に業務月報のことを言ってもらい、ちょっとビックリするのと同時に、その後すぐに喜びが沸き上がってきた。そして、一瞬にして、取引先の担当者と信頼関係(ラポール)が出来た。
その後の、話し合いはどうなったかと言うと、初めて会ったとは思えないほど話は盛り上がり、深い話が出来た。
【「褒める」より「気づく」】
この経験より改めて思ったのは、自分がやったことを「気がついて」もらうだけで、人は嬉しいんだということです。当たり前のように自分がやっていることって、自分ではその良さに気がつかないんですよね。相手に気づいてもらうことで、自分でも気がつくわけです。
「これって、他の人から見たら良いことなんだ」
そうすると人は、自分でも気がつかないうちに、2回認めてもらうことが出来ます。1回目は、相手から自分が認められます。そして、2回目は、自分自身が自分自身に認められます。
1つのことで2回認められることで嬉しさが2倍になると同時に、自分が自分を認められるようになると仕事に自信が持てるようになります。そして、仕事に自信が持てるようになると、やる気が変わり、行動が変わります。
もし、「部下を褒めて育てたいんだけど、褒めることが見つからない!」と悩んでいるとしたら、部下がやっていることに関心を持つことから始めてみませんか?関心を持つことで気がついたことがあっても、褒めなくていいです。
「それ、やってくれてるんだね」と、部下がやっていることを、ただ言葉にすることから始めてみてください。
そうすることで、部下との関係は大きく変わります。
諏訪さん
「お父さんはゆずが大好きだよ!」
この言葉は、前回のコラムに登場した愛娘の
ゆずちゃんとのやりとりの一コマでしたね。
今回は、30社にも及ぶ業務月報へのコメントの
返信をされている体験談。
どうやら私には、業務月報へのコメントの文底にも
「○○さん、好きだよ!」という諏訪さんの
相手に対するお声が聴こえています♪
諏訪さんって本当に相手を思いやれる人なんですね。
そのコメントを受け取られ、お読みになった方に
気持ちが伝わらないはずはないですよね。
きっと新しい担当者の方も諏訪さんってどんな人
何だろうって、お会いするのを心待ちにしてたんだろうなあ。
私もこれを書いてるうちにワクワクしてきました。
素敵な体験談、ありがとうございました。
つづく
谷奥さん、コメントありがとうござます。
谷奥さんのコメントを見て、前回のコラムと今回のコラムでは、
根底にあるものは一緒なんだなと気が付くことが出来ました。
コミュニケーションで大切なのは、
「相手のことを思って一生懸命に行動すること」で、
結果として自分に帰ってくるんでしょうね。
谷奥さんのコメントからも谷奥さんの愛情が伝わってきて、
谷奥さんの優しいお人柄が伝わってきております。
まさに今回のお褒めの言葉をいただいた営業担当者も
こんな気持ちだったのかなと、
谷奥さんのコメントで、私が経験させていただいているなと感じています。
このような素敵な体験をさせていただき、こちらこそありがとうございます!!
諏訪さん
なるほどですね。返信いただいたコメントを
拝見して私の中にもしっくり来るものが
ありました。
こういったコラムを通して、意見や感想を
交換し会うことは視野や考えを深めるためには
有効な手段ですね。
おまけに?こうして諏訪さんとお知り合いに
なれたのですから嬉しいものです。
今年定年を迎え第二の人生を歩き始めました。
60になっても戸惑うばかりですが、
「相手のことを思って一生懸命に行動する事」を大切にしたいと思います。
ありがとうございました。
谷奥様、こんばんは。
コメントが遅くなってしまって、申し訳ございません。
谷奥さんが仰るように、意見や感想を交換しあうことって、とてもありがたいです。
自分の出来事を書いていると、物事を客観的にみようとしても、感情が入ってしまい、なかなか客観的にみることが出来ず、主観的になってしまいます。
色々な人の意見や感想を拝見させいただくことで「なるほど!」と、多面的にみることができ、気が付くことが多いです。
それなので、谷奥さんはじめ、色々な方の意見や感想には、感謝しかありません。
谷奥さんに、
「相手のことを思って一生懸命に行動する事」を大切にしたい
と、言われると、頭が下がります。
私も、相手のことを思うことを一番に考えられるように、精進していきたいと思います。
いつも、ありがとうございます!