「明日からやってみようかな♪」と思えるSF流シンプル面談 No.4 諏訪太郎

部下との会話の良し悪しは
上司の一言目で決まる

夏休みと言うことで、4歳の娘と折り紙と絵具を使って工作をしていました。

娘は、正方形の折り紙を幅1㎝程度に切り、幅1㎝長さ15㎝程の短冊を作っていきます。そして、折り紙の短冊ができると、色のついていない裏側に絵具を塗っていきました。小さい子が絵具で色を塗ると、芸術的な塗り方になります。今回の娘の絵具の塗り方も、勢いがあり芸術的な塗り方であったので、この折り紙の短冊をどのように使うのか楽しみにしていました。

ところが娘は、私の想いとは裏腹に、絵具で色を塗った方を内側にして、楽しそうに折り紙の短冊を巻き始めまたのでした。それを見た私は「え~、それじゃー絵具を塗ったのが見えなくなるよ」と思いました。そして、娘に「絵具塗った方を上にした方がいいんじゃない」と言いかけたのですが、娘の楽しそうで、そして真剣な顔で作業をする姿を見て、しばらく娘の作業を見守ることにしました。

実は、娘の使っていた絵具は、通常の水性絵具ではなく、プラモデルなどで使う少し粘り気があり、すぐには乾かない絵具でした。娘は、絵具が乾く前に、折り紙の短冊を巻くことによって、絵具をノリの代わりに使っていたようです。折り紙の短冊をクルクルと巻くと、塗った絵具をノリ代わりにして、段ボールの台紙に次々に貼り付けていきました。

そして、しばらくすると素敵な作品が出来上がりました。

「見て見て、出来たよ!」

作品が出来上がると、嬉しそうにお父さんと、お母さんに作品を見せてくれました。

この素敵な作品を見ることが出来たのも、娘が折り紙の短冊を巻き始めた時に「絵具を塗った方を上にしたほうがいいんじゃない」と私が娘に自分の意見を言わずに見守ることが出来たからでした。

【部下からの企画の相談】

そう言えば、こういうことって会社でも良くあるなと思いました。

先日、部下から子供向けの企画の相談を受けました。以前も同じような企画を実施したことがあり、その時はそれほど人気がある企画にはなりませんでした。その経験があるので、「いや、でも、昔同じような企画をやってみて・・・・」と言いかけました。

でも、部下が目を輝かしてその企画について提案してきたのでその熱意に負けて、「具体的にもっと詳しく教えて」と聞いてみることにしました。企画の内容を聞いてみると、部下が企画を通して「何を伝えたいのか」、そのために「何をするのか」もしっかり考えられていることが分かりました。

そして、何よりも部下がこの企画を通じて、子供たちに貢献したいという強い思いが伝わってきました。

最終的には、少し手直しはするところはあったものの、企画自体にはOKをだし、企画を実施することになりました。実際に企画を実施してみると、以前実施した時とは違い、多くの人に参加していただき、企画は大成功に終わりました。

以前企画した時と違いは何であったか、色々と考えました。

「告知が上手くいってなかったのか?」
「地域性が企画とマッチしていたのか?」
「時期が良かったのか?」

色々と考えましたが、一番の要因は部下の企画に対する想いかなと思っています。彼の企画に対する想いが、周りの人々に伝わり、最終的に企画を成功に導いたのだと思っています。

今回、部下の企画が上手くいったのは、アドバイスするタイミングが良かったからかなと思っています。もし、部下が企画を話してくれた時点で「いや、昔同じような企画をやったから」と私がアドバイスをしていたら、部下はどのように感じたのでしょうか?きっと、うちの上司は話を聞いてくれないと部下のモチベーションは下がり、今回の成功はなかったでしょう。

「具体的に教えて」と、部下の企画の内容をすべて聞いたうえで、「でも、こんなこともできるかも」、「こんな時はどうする」と一緒に話していったから、部下はモチベーションを保った状態で企画に打ち込むことが出来きました。そして、モチベーションを保った状態で企画を実施したことで、周りの人の協力を得ることが出来、企画を成功することが出来たのです。

【会話の良し悪しは一言目で決まる】

仕事でもプライベートでも、相手よりも多くの情報であったり、経験を持っていたりすると、ついつい「そうはいっても」とか、「でも」とか、相手の意見を否定して、自分の意見を述べたくなることがあります。

でも、それをしたら、相手との信頼関係は一瞬で崩れてしまうと思うんです。

まずは、「どうして、そう考えたの?」、「具体的に教えて?」と相手の意見を受け入れるところから会話を始めることで、相手も安心して話をしてくれます。

最初の一言を「肯定語」で返すのか、「否定語」で返すのか。その一言で、相手との信頼関係は大きく変わります。

「明日からやってみようかな♪」と思えるSF流シンプル面談 No.4 諏訪太郎” に対して5件のコメントがあります。

  1. 谷奥勝美 より:

    諏訪さんへ

     諏訪さん、おはようございます。
    諏訪さん、すっごく文章が上手になりましたね。
    エッ、もともとですか(^^)
    内容的に簡潔でスッキリしてて仰りたいことはストレートに伝わり、それでいて客観的視線でとても親しみやすいと感嘆しています。次回のコラムのハードル高そう😊

     実はタイトルを見た時に勝手に自分の中に世界が作られました。
    こう見えて?私、すごく上司の空気を気にするんです。上司に限らずお医者先生やお偉いさんには「お代官様、へへーっ」って感じの気にしいなところがあって、楯突けないってことかな?情けないですね!
    だから最初の諏訪さんのようなひと言をかけてもらえる上司ならやる気満々ですね。部下にとってはとっても大切な上司の心がけだと思っています。

     しかし、上司は選べないし、上司に頑張ってもらうか部下が頑張るかですよね。
    万年部下の私もがんばりまーす(^^)

     娘さんの絵の才能もどんどん伸ばしてくださいね♪「ダンボールという世界には多種多様な人や物があって、それぞれに支え合いながらも尊重し合いながら時代を作っているんだ」というメッセージが聞こえてきますね。まっすぐに育ってるんだなあ。

    1. 谷奥勝美 より:

      今、トイレに起きて思った。
      「そうか、だから俺は最初のひと言を肯定的な言葉(思い)で人に接するのか!」と。
      プラスのメガネを知ったあとは意識してそうするけれど、その前はどうだったんだろうか?(寝ぼけて思い出せない😉)

       では人は何故、肯定的な言葉を掛けられるとこちらを向いてくれるのでしょう、心を開こうとするのでしょうか?
       皆さんはどう思われますか⁉️

      1. 諏訪太郎 より:

        私の考えですが、言葉もそうですが、その言葉を話す時の表情、相手から感じる優しい雰囲気とか、そういうものをひっくるめて感じているのかなと思います。

        接客業につくと初めの研修で、「いらっしゃいませ」を笑顔で言って、そのあと笑顔をみせないでいって、その違いを比べます。
        結果は想像がつくと思いますが、「いらっしゃいませ」との同じ言葉を話していても、感じ方は全然ちがいます。

        なので、どんな言葉と言うよりも、肯定的な言葉を話す時の相手の気持ちなのかなと思いました。

        1. 谷奥勝美 より:

           では人は何故、肯定的な言葉を掛けられるとこちらを向いてくれるのでしょう、心を開こうとするのでしょうか?
           皆さんはどう思われますか⁉️

          あれから折々考えていました。
          シンプルに少し乱暴な言葉で表すと「うれしいから」と今はしておきます。自分の方に向いてくれると私自身もそう思いました。

  2. 諏訪太郎 より:

    谷奥さん、次のブログのハードルをくださり、ありがとうございます(笑)
    ハードルが上がっても「文章上手になった」と言われると、素直に嬉しいです♪
    谷奥さんのコメントの文章も、まるで実際に会話をしているように文章が生き生きとしていて、私は大好きですよ!

    谷奥さんの上司に対たいする感情、凄くよくわかります。
    私も谷奥さんと同じで目上の人には凄く気を使ってしまうタイプなんで。。。
    また、上司の立場で部下と接するときに「でも、それって」と言って、何度も部下と信頼関係を壊してきた経験者ですので(笑)。
    失敗した経験が多いので、その分いまは、部下の話をきちんと聞いて上がれらるようになったのかもしれません。
    失敗にまさる経験はありませんね!!

    娘のダンボールの作品についても、ありがとうございます!!
    娘の名前ですが「人々を結ぶ」、「ご縁を結ぶ」、そんな人に育って欲しいと願ってつけたんです。
    それなので、谷奥さんのコメントを見て、自分の娘ながら素敵な子に育っているのかなと嬉しくなりました!
    ありがとうございます♪

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