「明日からやってみようかな♪」と思えるSF流シンプル面談 No.1 諏訪太郎

「お父さん大っ嫌い!」から学んだ
コミュニケーションの極意

「お父さんなんか大っ嫌い!!」

これが、世間でいう反抗期というものでしょうか?
私には4歳の娘がいます。
4歳の娘からこの言葉を言われると、正直ショックですよね。
しかも最近は、私が注意しているのではなく、母親が娘を注意していても「お父さん大っ嫌い」と言われるんです。
「いや、お父さん何も言ってないし」と思いながらも、娘の八つ当たりのたびに、お父さん(私)は心の中で傷ついているんですね。娘を持つ世の中のお父さん、こんな経験はありませんか?

でも、「お父さんなんか大っ嫌い!」と言う言葉は、実は娘からのプレゼントだったんです。
それに気が付くまでには時間がかかりました。
でも、それに気が付くと、私のコミュニケーションの取り方は大きく変わりました。
家族、友達、職場でと、日常のコミュニケーションが大きく変わったのです。
娘からのプレゼントとは、どんなプレゼントだったのでしょうか?

「お父さんなんか大っ嫌い!」

私が娘からこの言葉を言われるのは、たいてい私か妻が娘を注意した時です。
私たちだって、好きで注意しているわけではありません。
出来れば注意なんかしたくない。
でも、親ですから「駄目なことは駄目」ときちんと伝えなければいけません。
娘を思って注意しているのに、「お父さんなんか大っ嫌い!」って言われると、私も悲しくなるわけです。

だから、初めのうちは、「そんなことをいう子は、お父さんも嫌いだよ!」と娘に言ってしまっていました。
でも、この言葉を私が言うと、娘がすごく悲しそうな顔をするんです。
そんな娘の悲しそうな顔を見るのが、父親としては何よりも苦痛でしたし、「なんでこんなこと言っちゃったんだろう」と毎回後悔していました。
だから娘を注意した後に、娘に悲しい顔をさせないためにはどうしたらいいかと考えていました。

色々と考えている中で、気が付いたことがあります。
私は娘のことは大好きなんです。
なのに、娘に対し「お父さんも嫌いだよ」と言ってしまっている。
ここに違和感を感じました。
「お父さんなんか大っ嫌い!」という一言だけにフォーカスして「お父さんも嫌いだよ」と言うのではなく、「大好きだから注意するんだよ」とそもそもの目的に沿って答えたらいいんじゃないかと思ったんです。

そのことに気が付いて私の娘に対する返答は大きく変わりました。
その返答に変えたとたんに、娘が悲しい顔をすることもなくなりました。
親としてきちんと注意が出来て、尚且つ、すぐに娘が笑顔になる。
たった一言変えるだけで、娘と関係は大きく変わりました。
「お父さんなんか大っ嫌い」と言われた後、私が娘に対して何と言ったのか?

「お父さんも大嫌い」と言っていたのを、「お父さんは大好き」と言うようにしました。

「お父さんなんか大っ嫌い」
「お父さんはゆずが大好きだよ!」
「お父さんなんか大っ嫌い!」
「お父さんはゆずが大好きだよ!」
「お父さんなんか大っ嫌い!」
「お父さんはゆずが大好きだよ!」

3回ぐらい繰り返すと、娘が「クスッ」て笑い出します。
それで、この件はおしまい。

私も娘の悲しい顔を見ないで注意が出来るようになり、娘を注意することが重荷にならず、きちんと注意できるようになりました。
始めにこの経験は娘からのプレゼントだと言いました。
まさに娘は、コミュケーションを取るうえで、大切なことを教えてくれたなと思っています。

それは「相手の幸せを考えて」コミュニケーションをとることです。
ソリューションフォーカスやコーチングなど、コミュニケーションの手法は色々とあります。
それぞれに色々な考え方やテクニックがります。
でも、考え方やテクニックの前に一番重要なことは「相手とのコミュニケーションの基盤」となる「相手の幸せを考える」ことだと思うんです。

こちらが率先して、相手の幸せを考えてコミュニケーションをとることで、相手との信頼関係が出来る。
相手との信頼関係があるからこそ、効果的なテクニックが活きてくる。
何よりも、相手のことを考えることが一番大切なことを学びました。
もし、最近上手にコミュニケーションが取れないなと感じているとしたら、自分にコミュケーションのベクトルが向いているかもしれません。
自分に向いているベクトルを相手に向けることで、相手とのコミュケーションは大きく変わります。

「明日からやってみようかな♪」と思えるSF流シンプル面談 No.1 諏訪太郎” に対して4件のコメントがあります。

  1. 谷奥勝美 より:

    諏訪さんへ

     初めまして、谷奥と申します。
    とてもシンプルな文章に共感しました。
    それにタイトルで結末がわかっているのに
    なぜか期待しながら読んでしまうのです。
    すばらしいテクニック?ですね。笑

     身近な人とのコミニュケーションって
    ほんと難しいですよね。職場や地域なら
    それなりに気を使ってはいるんだろうけど
    家庭はつい自分が出てしまいます。
    私もまだまだ修行が足りませんね。
     ですからこの記事は大変、大変参考になりました。
    といってもうまくできるかどうかわかりませんが、
    努力してみます。笑

     諏訪さんは「娘からのプレゼントだったんです」と
    おっしゃいましたが、このような愛情たっぷりの家庭で
    育った娘さんこそ将来「人の立場に立って考えられる」人に
    なっていくんだろうなと微笑ましくも思ってしまいます。
     ゆずちゃんのご成長を心よりお祈りいたします。

     素敵なコラム、ありがとうございました。

    1. 諏訪太郎 より:

      谷奥さん、初めまして。
      コメント、ありがとうございました!

      また、私の文章を褒めていただきまして、ありがとうございます。
      こんな風に褒めていただけますと、嬉しくて今後文章を書いていく糧になります。

      谷奥さんがおっしゃるように、身内とのコミュニケーションは難しいなと感じます。
      今回のブログで偉そうに書いていますが、まだまだ、「娘の幸せを考えていないコミュニケーション」を取ってしまうことも多々あります。
      でも今回「相手の幸せを考える」ことに気が付くことにより、以前よりも多くの時間、「相手の幸せ」を考えてコミュニケーションが出来るようになったかなと思っています。

      「うまくいったことは繰り返す」

      昨日よりも今日、今日よりも明日。
      少しづつ意識できる回数を増やしていきたいと思います。

      谷奥さんの優しさにあふれたコメントを、ありがとうございました!
      また、コメントお待ちいたしております♪

  2. シオタリョウコ より:

    ブログ読ませていただきました。

    【上手にコミュニケーションが取れないなと感じているとしたら、自分にコミュケーションのベクトルが向いているかもしれない。自分に向いているベクトルを相手に向けることで、相手とのコミュケーションは大きく変わります】

    この言葉、深く心に沁みました。
    お子さんとのお話でしたが、この言葉は全ての人とのコミュニケーションに言えますね。

    子供の経験はありませんが、過去の記憶の中に(部下から)(上司から)(友人から)『きっつーい!』と感じた言葉を受けたことありました。笑
    その時は、傷ついた自分の心をしっかり見つめることから初めて、その後どう対処したか記憶が曖昧ですが、ベクトルを自分に向けていたことは確かだったなぁ…と思っています。

    相手に関心を向け、相手の背景を徹底的に想像する(相手にベクトルを向ける)ことの大切さを改めて感じました。

    ありがとうございました。

    1. 諏訪太郎 より:

      シオタさん、コメントありがとうございます。

      シオタさんも、自分にベクトルを向けていた体験が思い出されたのですね。
      こんな風に書いていますが、私なんかも自分にベクトルが向いていることって多々ありますし、今でも娘と話していて「あっ、今自分にベクトル向いている」と気づくことが多くあります(笑)
      でも、相手にベクトルが向くと上手くいく経験をすることで、自分にベクトルが向いていても、気が付き、軌道修正できるようになった気がします。

      シオタさんの経験からくる素敵なコメントをありがとうございます。
      また、コメントお待ちしています!

          

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