「あるもの」をつなぐ No.35 シンイチロウ

いったい、いつからだろう…

小さいころは、何かを見つけたら一目散に走っていった。
遠くまで行って、ちょっと不安になって振り返ると、
ちゃんとお母ちゃんが見てくれていたから、
また勢いよく走り出した。

動くものを見つけてわしづかみにしたらクワガタだった。
痛かったから次はそっと掴んだ。

怖いおじさんに会ったら、すぐに親の後ろに隠れて手をぎゅっと握ったり。

小学生のころは、めんこ遊びに夢中で、朝から晩まで他校の子たちと勝負してたなぁ。

あの頃は、感じたことをそのまま表現していた。
毎日が、型にはまらない新しい冒険だった。

大人になるにつれて、少しずつ変わったのかもしれない。

学校に通い、仕事をして、いろんなことを学んだ。
同時に、「感じたままを表現すると失敗する」ってことも、覚えてしまった。

だから、失敗しないように、迷惑をかけないように、
一生懸命考えて、うまく立ち回るようになった。

「この職業は優秀だ」みたいな価値観も学んだ。
コンサルタントになったら尊敬されるかなって思って転職してみたけど、
全然おもしろくなかった。

小さいころのぼくが見たら、きっとこう言うだろう。
「おじさん、なにやってるの?」

今、ぼくはクリエイティブ制作の仕事で、マネジメントをしている。
でもね、会社の決めたやり方で動くマネジメントがどうも苦手だ。

マネジメントする方もされる方も、どこか苦しくなってくる。
だから、自分なりのやり方をずっと探してきた。

そんな中、いまのメンバーたちとの関わりが、
ぼくのマネジメントを大きく変えてくれた。

すこし、メンバーの紹介をしたい。

たとえば、Aさん。

遅刻が多くて、上司から何度も怒られて、ぼくも注意してた。
でも、変わらなかった。
なんだか、お互い疲れ果ててしまった。

でもよく考えたら、Aさんは二人の子を育てながら働くお母さんだ。
寝不足になる日も、想像に難くない。

本当に必要だったのは、協力し合うことだった。
遅刻をゼロにすることじゃなかったんだ。

しかもAさんは、会議で思いついたことをポンポン口にするタイプで、
それをまた上司に「ムダだ」って叱られてた。
でも実は、それがきっかけで会議の空気が動き出すことが、何度もあった。

いまやAさんは、新商品発表会のリーダー。
次期マネージャー候補だ。

Bさんは、シニア社員。
「使えないから引き取ってくれ」なんて言われたこともあったけど、
そんなのまったくの誤解だった。

ちゃんと仕事をしていたし、ただ、誰にも聞いてもらえなかっただけだった。

いま、Bさんはグローバルの環境対応をまとめる仕事をしている。
相変わらず好奇心旺盛で、AIツールもどんどん試してる。
新しい技術を、周りに教えながら広めてくれている。

そして、Cさん。
外国出身で、日本語にちょっと劣等感があった。
でも、画像生成AIと出会ってから、顔つきが変わった。

「AIは言葉の壁を超えてくれる。
これができたら、みんなより一歩先に行けるかもって思ったんです。」

いま、Cさんは社内のAI研究会で、リーダーとして走り始めている。

ふと思う。

もし、「こうあるべき」とか、会社の常識に縛られて、
彼らの個性が消されてしまっていたら…。
それって、すごくもったいないと思う。

毎日、懸命にがんばっているマネージャーのみんなに
どうしても伝えたいことがあります。

「型にはまったマネジメントの制服を脱いでみよう」

あなたが本当に感じてること
あなた自身でもっと勝負していい。

あなた自身がメンバーと関わるすべての瞬間を、
わかり合うチャンスに変えていこう。

わかり合うことを通じて、メンバーはあなたとの関係に
チカラが宿るのを感じるはずだ。

そこから、きっと新しい可能性が見えてくる

会社の目標だって、
みんなと一緒に考えれば、ぐっと魅力的にできる。

そこから回し始めるPDCAは、ただの仕事じゃない。
「未知の経験を楽しむ冒険」になる。

もう、準備はできてる。

必要なのは、素手のぼくらと、そばにいる仲間だ。
ぼくらにはすでにチカラがある。
きっと、解決志向がぼくらのチカラを照らしてくれるはずだ。

さあ、ぼくらの可能性を開く冒険に踏み出そう!

「あるもの」をつなぐ No.35 シンイチロウ” に対して6件のコメントがあります。

  1. おっくん より:

    シンイチロウさんへ

     一回目を読み終えて、5月の青空のようにスコーンと抜けた解放感を味わっています。いいね!シンちゃん。勇気をいただきましたよ。つづく
    おっくん

  2. シンイチロウ より:

    おっくんへ

    コメントありがとうございます。
    今日からようやくGWに入って、まったり過ごしております。

    解放感を味わっていただけたなんて、最高です!

  3. おっくん より:

    シンちゃんへ

    つづき

    1、ごどもの頃のような夢中な生き方を「幸せ」と呼ぶとしたら、シンちゃんチームのみなさんはきっと幸せを手にいれたんだろうなあ。何をとか、どうやってみたいな野暮なことは抜きにして、自分の居場所を見つけることができたことは本当に幸せなんだろうと思えてくる。

    2、ここ最近のシンちゃんも大きく変化を成し遂げているように感じている。理由?- – -なんだろうね。自分でも感じているのかも知れないね、たぶん。
    おっくん

    1. シンイチロウ より:

      おっくんへ

      つづきコメント、ありがとうございます!

      メンバーが思っていることをどんどん言ってくれて、ぼくもそれに応え続ける中で変化してきたかもしれません。

      解決志向で、マネジメントを何周もやってきた中で見えたこともありました。
      人としての付き合いが深まることも魅力ですね。
      引き続き楽しんでいきたいと思います♪

  4. シオタリョウコ より:

    [あなたが本当に感じてること、あなた自身でもっと勝負していい]
    この言葉、ハッとしました。ホントそうですね!
    自分の感性と今まで体験した全てを信じて軽やかにしなやかにやっていけばいいんだ!と、思いました。

    [必要なのは、素手のぼくらと、そばにいる仲間だ]
    この言葉もドキッとしました。なんて素敵な言葉でしょう。
    素手は感覚が一番わかって(感じて)良いですね!
    仕事だけではなく、これから生きていくうえでも、素手の感覚と周りの仲間と協力していきたいと思いました。

    1. シンイチロウ より:

      シオタさん

      コメントありがとうございます!
      ぼくが大事だとおもっていることにコメントいただけて嬉しいです。

      「素手は感覚が一番わかる」って、たしかにそうですね!
      相手のことが、より感じとれるかもです。

      役割も、知識も、スキルも脇に置いといて、まずは素手で関わることが
      大事だなってあらためて思いました。

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