諏訪太郎の日々の気づきシェアリング No.35
評価だけでは見えない「本当のがんばり」
少し前のことですが、ある部下との下期の評価面談を行いました。
40代女性、労務管理の中心人物であり、まさにプロフェッショナル。
支社の労務管理全般を一手に担い、私自身も全幅の信頼を置いています。
常に自分で考え、的確に対応し、問題があっても自分で解決していく。
責任感が強く、日々遅くまで残業してまでチームを支えてくれています。
にもかかわらず、彼女の評価は「B」でした。
A~Cでいうと真ん中。悪くはない。
だけど、彼女の仕事ぶりからすると、「B」で納得できるものではありません。
しかも、それによって昇給額も低くなっていました。
面談当初、彼女はその評価に強く落胆していました。
納得できないというより、「こんなに頑張っても評価されないのか」と、会社そのものに対する失望の色が濃く見えました。
ちなみに、この評価は私が赴任する前、前任のマネージャーによるものです。
私はまだ着任して2ヶ月。
彼女の努力を伝える機会も、評価に関与することもできませんでした。
1on1と環境づくり
私がこの部署に来て最初にやったこと、それは全員との1on1でした。
肩書きや成果ではなく、「その人自身」に興味を持って話を聞きたかったんです。
「どんな仕事が好き?」
「今、何に困ってる?」
「どんなふうに働いていきたい?」
そんなことを一人ひとりに聞いていく中で、ちょっとずつ見えてくるものがありました。
そこで、一部のメンバーにポジションの変更を提案しました。
「やってみたい」「挑戦してみたい」と思っていることに、チャレンジできる環境を整えたんです。
それと同時に意識していたのが、「ちゃんと話を聞くこと」「失敗も含めて、やったことを認めること」でした。うまくいったら「すごいね」と伝え、うまくいかなかったときも「やってみたこと自体が大事だったね」と話すようにしました。
その変化は、少しずつ周りにも伝わっていきました。
あるとき他部署の人に「人事総務、最近、明るくなったね」と言われたんです。
それは、みんなが前よりも自分らしく働けている証なんじゃないかと嬉しくなりました。
モチベーションは「誰と働くか」で変わる
話を戻します。
その女性との評価面談の最後、彼女がふとこんなことを言ってくれたんです。
「でも、諏訪さんと働き始めて、“一緒だから頑張ろう”って思えるようになったんです。仕事って、お金だけじゃないですよね。」
正直、その一言に涙が出そうになりました。
もちろん、仕事の評価は大事です。
でも、それだけじゃないと私は思うんです。
人が頑張れる理由って、すごく個人的で、感情が動く瞬間にあるんだと思います。
「誰と働くか」
「どんなふうに関わってくれるか」
「自分のことをちゃんと見てくれているか」
そういうことが、日々のモチベーションに深く関わっていると思うわけです。
人のやる気は、給与や役職で一時的に上がることはあっても、長続きはしません。
本当のやる気って、「自分でやってみたい」「この人のために頑張りたい」って思える関係性や環境から生まれるものなんだと、改めて気づかされました。
最後に
評価は一つの指標かもしれません。
でも、評価に現れない価値を、誰かがちゃんと見ていること。
それが職場にとって、とても大事なことなんだと思います。
ソリューションフォーカス的に言えば、
「うまくいっていることに目を向ける」「未来に向かって話をする」
その積み重ねが、人と職場を元気にしていくんだと、実感した出来事でした。
みなさんの職場では、こんな会話出来ていますか?
諏訪先生へ
諏訪先生の涙、こちらまで届いてますよ!
諏訪先生がなされようとしていることが、少しづつ周りの人たちに伝わって、一歩づつ未来が変わりつつあることは、全く環境は違いますが私の大きな支えになっているようです。
諏訪先生の穏やかな文字に秘められた思いこそが、あらゆる価値を発掘し行く原動力なんだと思います。新しい職場の一年後の姿をともに見させてください。
おっくん
おっくん、いつもおありがとうございます!
また、3か月しかいない職場で、このように言ってもらえると、
本当に嬉しいものです。
これからも職場や読んでくださる方の支えに慣れれば嬉しいです!
sfで部下と接すると、これだけ大きな変化が起きるので、
本当にsfって素晴らしいなと思います!