「あるもの」をつなぐ No.5 シンイチロウ
SFブロガー対談「SFマネジャー解体新書」の振り返り
~やっぱり仲間っていいな~
今回は11月6日に実施されたSFブロガー対談「SFマネージャー解体新書」の感想について、みなさまから頂いたアンケートも参考にしながら書いていきます。
参加いただいたみなさま、一緒に対談してくださった諏訪さん、準備・運営いただいた青木さん、渡辺さんに感謝申し上げます。SFに関心があったり実践したりしている人たちと会うと、本当にうれしくて心強くなります。勝手に仲間だと思っています(笑)。これからもお付き合いのほどお願いします。参加されなかった方も、このブログ記事で今回のプログラムの内容を可能な限り共有していただければ幸いです。
<「SFマネージャー解体新書」対談の感想>
諏訪さんとの対話を通じて実感したことがあります。マネジメントにSFを持ち込む根底には人を大切にしたいという同じ想いが流れているということです。対談の後半では諏訪さんとシンクロしすぎてどちらが自分か分からないほどでした(笑)。
アンケートを読んでの感想です。SFを組織で実践している人の話(肉声)に触れることは、SF実践を試みている人に対してはさらなる後押しになるし、実践に躊躇したり戸惑っている人に対しては一歩を踏み出す意欲が湧くきっかけになるようです。
※以下、アンケート抜粋
「人へのアプローチの仕方について、自分のやり方に間違いなしと自信を持ちました」
「よくも悪くも、人々に影響を与える存在であるマネージャーとして、自分の来し方を問うとともに、なぜだかこれからの自分を応援したいという気持ちになりました」
「自身が不安定な状況にいると、積極的な気持ちと消極的な気持ちとの間で揺れるけれど、「よし!」と気合をいれる気持ちの種になりそう」
「実践している人の話を聞けるのは貴重ですね。また少し頑張ってみようという気持ちになりました」
「職場の若手に対して、対人の仕事は向いてないから事務系の仕事に変わった方がいいんじゃないかと思っていたが、、、もうしばらく対応を考えてみようと思いました」
「久しぶりにSF共通語の空間に入れたことでリフレッシュできたようです」
SF実践をブログでお伝えする意義を実感できてうれしかったです。SF実践の意欲がさらに湧いていきました!
<浮き彫りになったSFマネージャー5つの特徴>
今回の解体によって、諏訪さんとぼくのSFマネージャー実践ケースには共通点が見出せます。その共通点を含めてSFマネージャーの特徴をぼくなりに5つにまとめました。
1.「相手への感謝とリスペクトが前提」
2.「すべては◯(=OK!)として、メンバーが失敗することを厭わない。その継続が信頼関係に発展。自分の失敗にも◯(=OK!)を出す!」
3.「まず問題を置き去りにして、本人が大切にしていること・出来ることを活かす。そして問題を副次的に改善する」
4.「部下を主役にできる出番をつくり、主体性やモチベーションにつなげる」
5.「1対1のSFコミュニケーションで成果を生み、今度はそれをリソースとして組織内・外につなげて成果を高める。結果、成果と満足を両立する好循環へ」
大きな共通点は、人を活かす1対1のSFコミュニケーションがありながらも、そこで終わらずにマネージャーの役割としてちゃんと組織の成果につなげていたことです。アンケートの中にも
「成果を上げるマネジャーの責務と人を育てるSF視点の融合をどうすればよいか?」
という課題が挙げられていました。その課題に対する1つの答えになると思います。ここがSFマネージャーの真骨頂かもしれません。
<SF実践のカベを越えるヒント>
SFを実践することが良いこととわかっているし、SFを使っているけど思うようにいかないという意見もありました。SFを実践するときに立ちはだかる「カベ」として以下が挙げられています。
1.SF実践へのモチベーションに関して
・自分にOKメッセージが出せない
・諏訪さんと小林のSFへの信頼はどこから?
・部下の苦手を補うなどの負担は自己犠牲にならないか
・SF共通語を使える場がない(仲間とSFを共有する場がない)
2.教育・指導への活用に関して
・動機付けやモチベーションを高める関わり方
・マネージャーへの部下マネジメントの教育
・マネージャー自身が多忙な中で部下指導をどう行うか
・高ストレス職場介入時の、その管理職への関わり方
3.組織内での活用に関して
・職場の問題志向の中でのSFを実践する難しさ
・成果を上げるマネジャーの責務と人を育てるSF視点の融合
2つだけ取り上げてコメントしたいと思います。それ以外の課題もSFマネジメントを行ううえでとても大事だと思いますので、次回以降のブログや何かの機会にお話できればと思います。
1つ目は、「SFへの信頼はどこから?」です。諏訪さんもぼくも良かれと思ってやったことが失敗につながった経験から、SF活用にスイッチして効果実感を積み重ねた結果、SFへの信頼が高まりました。
ここからはぼく自身の話をちょっと補足です。ぼくのSFの原点は生活と仕事で感じていた焦燥感でした。自分が描く高い理想と現状とのギャップに落胆し、足りないものを追い続ける焦燥感。無いものを追い続けることに不安が増大し疲れてしまいました。
そんな時にソリューション・フォーカスト・アプローチに出会いました。不調の原因を追わず、「既にあるもの」や「できること」、「大切にしていること」に目を向けて少しづつ力づいて前進していくアプローチに魅了されました。足りないものではなく、あるものからスタートする。
ぼくのSFへの信頼はここにあります。小さくても確かに「あるもの」への確信を足掛かりにして前に進む。誰だってどこの環境にいたって、きっと前進に役立つ「あるもの」があるはずという想いがあります。
2つ目は、「マネージャーへの部下マネジメントの教育」についてです。マネージャーに対して部下のマネジメントを教育するわけですが、現状が悪いことを前提に教育する文脈になりがちです。しかし最初はエンパワメント(力づけ)から入るのがオススメです。
部下マネジメントに問題を抱えているマネージャーにも部下との関わりの中でうまくやれている部分もあります。そこにOKメッセージを出したり、マネージャーが苦労していること、努力しているところを引き出して聞いてあげます。しっかり肯定してエンパワメント(力づけ)してから自身の課題に向き合ってもらいます。そうやって部下育成へのプラットフォームにのってもらいます。
エンパワメントの必要性はSF活用した組織風土改善の経験からきています。とりかかる前に部長にヒアリングを実施しエンパワメント(力づけ)していきました。最初は部下の悪口を言いますが、労いやOKメッセージによって、風土改善取り組みのプラットフォームにのってくれました。
(→この話はブログNo1の記事と同じ内容になります。)
<アンケートでいただいた質問への回答>
アンケートにありました質問にお答えします。
Q.信頼やサポートというスタンスを保つためには小林さん自身のバランスや調和もカギになると思うのですが、日常でバランスを保つために気を付けていることなどありますか?
A.仕事が行き詰まる時、焦りや不安に襲われます。その時は優先順位をつけて部下のマネジメント以外の自分の仕事に集中します。一方で部下との関わりはリモート朝会のホウレンソウで課題を聞いてアドバイスする程度にとどめ、プラスの働きかけはお休みします。朝会が部下とのライフラインなので必須です。部下と常につながっていることは大事で、部下に助けをもとめたときにスムーズに応えてくれます。このように仕事配分を調整します。
Q.組織で働いている以上、原因を追究せざるを得ない状況というのはあるかと思いますが、そんな時はどのように対応していらっしゃるのでしょうか?
A.問題が起これば必ず追求して対処します。ただ、それが悪者をつくるかどうかは考慮しています。悪者をつくる原因追求はリスクがあります。以前会社で風土改善のために外部のリサーチ会社が風土サーベイを行ないました。組織風土の問題を分析して原因をつきとめるためです。その結果を社内の部門長に公表しました。悪い部門の長は、自部門が他部門よりどれだけ悪いか知ることになります。風土が悪い部門長は組織内の誰が悪い評価をつけたのか犯人探しが始まりました。結果は、風土改善取り組みが風土悪化をもたらしました。このように悪者探しにつながる原因追求は避けたほうがよいです。
<終わりに>
今後も青木さん、渡辺さん、諏訪さんとともに楽しめて役に立つ(ことを期待して)SF実践ブログ記事を書いていきますので、引き続きご愛読お願いします。
一人一人のSF実践をソリューショニストみんなの力に!
小林シンイチロウさんへ
文脈から対談のワクワク感がビンビン伝わってきますね😃
また、ご参加された方々からの解体によって見事なまでに新たな新書が出来上がったようですね。それは小林さんが一番実感されているのではないでしょうか。自分のことは自分が一番わかっているようで、そうでないことも多いのかもしれませんからね。
SFについても実戦が無ければ絵に描いた餅(青木さん怒らないで)ですから、実践こそが全てを真相を明らかにする唯一の手段になるんでしょうね。以前「ひとり1SF」というのがありましたが、対談されたお二人の解体を通してそれぞれに多くの学びがあったことは喜ばしいことだと思いました。
色々コメントしたいことはたくさんあるのですが、コラムの中でも最も私が共感した部分は、SFマネージャー5つの特徴の中の4番目「部下を主役にできる出番をつくり、主体性やモチベーションにつなげる」です。
私自身が会社の向かう目的というプラットホームにうまく乗せていただいたお陰で成長できた経験を持っているからだと思います。プラットホームにさえ乗っかれば、少しの援助で勝手に?走り出すこともあるかと思っています。とても大切なプロセスです。
「SFのスイッチ」
本当にたくさんのテーマで解体し切れずに困ってしまいますが、ひとつだけ投げてみたいのです。
それは、対談のご感想の部分で
「諏訪さんとの対話を通じて実感したことがあります。マネジメントにSFを持ち込む根底には人を大切にしたいという同じ想いが流れているということです。」ですが、お二人を観ていてとても納得できる言葉です。
しかし、「人を大切にしたい」は恐らく全人類が持っている感情であり本能なのかもしれないとも思いました。であるならば、小林さんらの部下が以前の職場で開花途中で終わってしまい、良くないレッテルを貼られてしまうことになったのでしょうか。
何故、小林さんの下で認められて自分を伸ばすことができたのででしょうか。
すでにコラムにご回答かもしれませんが、皆さんのご意見を頂戴したいと思います。色んな切り口で立場でご自由にお願いいたします。
※気に障る文章ありましたらご容赦ください。
おっくんへ
コメントありがとうございます!
この1週間新商品発表会の仕事に忙殺され、ようやくひと段落つきました。。
対談でリモート越しではあるけれど、お目にかかれてうれしかったです。やはりお顔を拝見するとグッと距離が近づいてこれまで以上に親しみが湧いてきますね!これからもよろしくお願いします。
「対談のワクワク感がビンビン伝わってきました」
だったらよかったです!正直、みなさまが書いてくださったアンケートについて、どんなアンケートを取り上げて、どんな感想を書いたらいいか悩みました。お一人お一人の感想は気持ちのこもったものでしたし、しっかりお返ししなきゃと自分なりの熱意を込めて書かせていただきました。ちょっと硬めかなとも思いましたが 笑
以下はおっくんから読者のみなさまへの問いかけとおもいますが、ぼくも思ったことがありましたので書かせていただきました。
『「人を大切にしたい」は恐らく全人類が持っている感情であり本能なのかもしれないとも思いました。であるならば、小林さんらの部下(Kさん)が以前の職場で開花途中で終わってしまい、良くないレッテルを貼られてしまうことになったのでしょうか。』
『何故、小林さんの下で認められて自分を伸ばすことができたのででしょうか。
すでにコラムにご回答かもしれませんが、皆さんのご意見を頂戴したいと思います。色んな切り口で立場でご自由にお願いいたします。』
そうですね、ぼくも知りたいです。これはKさんに聞いてみるのが良いかもしれません。「前の部門と比べて何かかわったあ?」なんて軽く聞いてみますね。
以下はおっくんのコメントに響いて感じたことです。
山口周さんがNHKの番組で『人類は長い進化の過程で「感情」という機能を獲得した。感情を押し殺すことは生存能力・想像力を毀損することにつながる』と話していました。進化心理学の知見だそうです。お互いのこころの共有が豊かな生存には大事なようです。
おっくんのおっしゃる『「人を大切にしたい」は恐らく全人類が持っている感情であり本能』にも関わりがあると思いました。
ぼくのチームは感情が吹き出して収拾つかなくなって困ることも多いけど、これは良いことなのだと納得できました。というか良いのだと自分に言い聞かせます!笑
興味深い問いかけありがとうございます。
「感情が吹き出して収拾つかなくなって困ることも多い」っていう状態を職場でつくることができるってメチャすごいことじゃないですか!!たいていは忖度して押し殺し、酷い場合には圧殺ですよね。「心理的安全性」はよく言われることですが、感情を出せる、「コバちゃん」と呼んで上司と対等感を出して話せる、わがままも言える、これらは全部それが高いことの証拠ですよね~。すごいことだと思います!
なるほど、感情は進化の顕われなんですね。
そうするとKさんの感情がプラスの方向に導かれたということですね。蝶々がきれいな中花に誘われるやうに、紫陽花が土壌によって色を変えるように、あれやこれや理由を探すよりも全てが「自然」と捉えると妙にしっくりくるのかもしれないですね!
ありがとうございました😊