ゲスト投稿記事 No.6 小畑怜美さん

執筆者自己紹介:はじめまして、小畑怜美(こばたけ さとみ)です。「人と人の思いと知恵をつなぐ」をミッションに、コーチングと対話、リーダーシップの学び合いを届けています。東京の山の麓で育児と仕事に目まぐるしい日々を過ごしていますが、産後まもない頃に受講した”SF基本コース”の学びとSFの哲学・知恵に支えられてきました。そんな私の体験エピソードをお届けできたら幸いです。


人生にも四季がある。芽吹きの春、勢いの夏、実りの秋、そして耐える冬、と季節は巡る。あなたは、今どの時期を過ごしていますか。

これから紹介するエピソードは、私の冬越しの話。二人目の子を出産してから今日まで歩んできた道のりは、予想外のてんこ盛りでほろ苦い記憶が多い。

けれど、この冬の間には、私を癒し、労り、勇気づけ、知恵をくれた人や出来事があって、それらが、今、私の宝物になっている。私が道端で集めてきたちょっと切ない、でも大切な宝物のひとつ。

朝のご褒美ルーティン

私が子育てに悩み、ため息魔神になっていた頃。

朝起きて、ダイニングテーブルにつくと、「今日も長い一日が始まる。」と思う。そして、「今日はどんな辛いことがあるだろう。私は心穏やかに過ごせるだろうか。」と、不安がムクムクと頭をもたげてくる。

そんな私を見かねた夫が、「どうしたの?」と声をかけてくれる。私は、「最近、一日が始まるのがいやなんだ。子どもを虐待しちゃいそうで怖い。」と心の内を伝える。夫は、「そうだよね。辛いよね。」と私の負担を軽くするためのいくつかの話をしてくれるが、私は余裕がなくて夫の助け舟に乗ることができない。そして夫はいつもの朝のように食器の片付けを始め、私の気持ちは夫の背中の後ろで行き場をなくす。

今になって振り返ると、意地になっていたのだと思う。私は母親なのだから、子どもたちをみられると言ったから、私の方が柔軟に働けるから、自分がどうにかするんだ・・・など、色んな理由を探しては自分に厳しく言い聞かせ、苦しい気持ちにしていったのだ。真面目な人が陥るパターンだね。

この最悪な時を私はどうやって凌いでいたかというと、一番試みていたのは、朝のご褒美タイムだ。

私はどんな朝でも自分の好きな朝食を用意する。

私のご褒美タイムは、朝、こんな風に出来上がる。

まず、珈琲の豆を30gひき、ハンドドリップに夫と私の二人分の豆を入れる。次に、少量のお湯を豆に注いで数秒待つのだが、このとき豆がドーム状にプクップクッと膨れ上がる。この様子をじっと見ながら珈琲の香りをフンフン♪とかぐ。そして、出来上がった珈琲を、お気に入りのホーローカップに注ぐ。この頃には、私の呼吸も深くなっていて、ゆで卵とバターを塗ったトーストパンをつければ、心が軽く、ごきげんな私が出来上がる。けっこう簡単!

「ああ、今日も美味しい…。…。…。なんだか、私、やっていけそう。」

この珈琲を淹れる一連の所作を通して私の気持ちは切り替わり、安心と程よい気合いが生まれてくる。こうして朝のご褒美タイムは私のモーニングルーティンとなったのだ。

この話の中にある私の”冬越しの知恵“は、「自分の好きなことを自分に与える(許す)」という部分だ。

私は、”人は肯定されたときに変化の余裕を持つ”という考えを大切にしているのだが、自分自身を変えたいと思うときには、肯定的な言葉だけでなく、自分が喜ぶことをするといった肯定的行動が意外に効果的だと感じる。だから、もっとがんばらなきゃ〜、なんだか上手くいかないな〜と思っている時こそ自分にOKを出そう、ご褒美を与えようと決めた。

一日のはじめに自分にやさしくいることが、心に余裕と活力をもたらし、日々のささやかな支えとなり元気の源になった。そうして、大好きな夫や子どもたちと楽しく過ごそうという気持ちが私の中に自然と生まれてきたのだ。

ため息魔神だった私は、自分の憂鬱さや不機嫌さを一番上手に扱えるのは自分だということも学んだ。反省をしても、勉強しても、誰かに頼ろうとしたときでさえも、辛い気持ちの方が勝って全然ダメという状態の時期がある。それでも、投げ出さずにやってこられたのは、自分を整え、楽しもうとしている自分がいたからだと思う。

ゲスト投稿記事 No.6 小畑怜美さん” に対して7件のコメントがあります。

  1. 豊村博明 より:

    小畑怜美さんへ

    はじめて投稿致します。豊村です。
    小畑さんのブログを拝読し、気持ちが沈んでいる時も自分で上昇気流に乗せていく行くだけの
    術を常にお持ちの方なんだなあと思いました。私も「人は肯定されたときに変化の余裕を持つ。」は大好きな言葉です。目標を掲げても、時にはその目標のバーを越えられないことが人間誰しもあると思います。そんな時、これまでの自分のやってきた努力が実らなかったのではないか、これまでの自分の歩いてきた道のりを他人に否定されたのではないかとつい思ってしまいますが、こんな時にこそ自分自身にOKメッセージを出せる力のある方は強いとつくづく思いました。「誰がどう言おうとこれだけは自分を褒めてあげたい。」と言うものを自分の中にしっかり持って、それを原動力としてまた立ち上がろうとする力のある方は、自分自身に自信を失くしてしまっている人に対してもきっと心に響くOKメッセージが出せるのではないかと感じました。「そうだよね。辛いよね。」とさりげなく怜美さんを支えて下さるご主人の存在も大きのでしょうねえ。人は苦しい時にこそ、その苦しい気持ちの中に未来に繋がる希望の光が隠されているということを先日渡辺照子さんが書かれてましたが、小畑さんのブログにも今回は少し勇気を頂けました。ありがとうございました。

    1. 小畑 怜美 より:

      豊村さん はじめまして。
      OKメッセージに溢れる豊村さんのコメントに私自身まるっと肯定いただきまして、「恐る恐るでもゲスト投稿に応募して良かった〜」と、今、思えています。自分自身にOKメッセージを出すと言うのは、やりがいのあるSF課題ですね。思う様にいかない時は、ついつい厳しい自分や、厳しい周囲の声が大きく聞こえてきちゃいますけど「これだけは自分を褒めてあげたい」を見つけると、立ち上がる原動力になるなあと私も思います。”これだけは”という見つけ方が素敵な術ですね♪

      また、私自身はどちらかというと…自分を弱い人だなぁと思っているので、豊村さんの見方は新鮮で、私の勇気になりました。はじめての投稿を寄せていただき心から感謝しております!

  2. おっくん より:

    小畑さんへ

     初投稿いただきありがとう。新鮮ですね。勇気あるなあ!
     そう言えば青木さんのカフェで一度ご一緒させていただきましたね。きれいな人は忘れないんです。僕。

     子育て大変ですね。僕は4人兄弟です。山の草木のように勝手に育った気がしてたけど・・・やはりお袋には感謝。母の期待に応えてまっすぐ育ってるかなあ。もう63。

     お子さんたちは怜美さんの笑顔が嬉しいんだろうな。怜美さんも子供の笑顔を見たいもんね。僕には子供がいないけど放デイの子供たちと遊ぶのが一番好きな時間だなあ。自分が先生であることを忘れてます。😅

     「冬こそお鍋」ってどこかの広告で見たのを思い出しました。冬だからこそ味わえる温かさ・・・木枯らしの日は味方だった手袋も夏には邪魔物扱い。人間て自分勝手なのはこの歳になっても変わらないなぁと反省。

     ちょっと硬めな文章が渡辺さんに似てるなあ。また読ませてくださいね♪
     さあコーヒーでも淹れるか。インスタントってやつ😊  おっくんより

    1. 小畑怜美 より:

      おっくん
      コメントをどうもありがとうございます^^私も「やっちゃんのおしゃべりcafe」でご一緒したことを覚えてます!おっくんの語りかけるような軽やかな文とユーモア光る★コメント、とてもうれしく頂戴しました。

      「冬だからこそ味わえる」ことが、確かにあるなぁと思いました。私がブログに書いた母業のほろ苦さとSFの魅力は、今だからこそ感じられて、今書けることですね!これも一つの“冬の味わい”と捉えると、有り難みか…愛おしさか…人生の味わいが深まりますね。おっくんの放デイは、子どもたちとどんな時間を過ごされているのでしょう^^よい感じなのでしょう〜

      (こちらに掲載されるかどうかは別として 笑)また書きます、ありがとうございます!

      1. 青木安輝 より:

        小畑さん、ぜひまた書いてください!
        おっくんもそろそろどうですかぁ?(既にコメントで発信してるようなもんだけどね・笑)

        僕の勝手な期待としては・・・、だんだんゲスト投稿が増えてきて、掲載待ちの原稿がたまってしまったので、発信間隔が短くなる・・・な~んてことになんねーかなぁと思っています。よろしく~!

        1. おっくん より:

          色んなエピソードをいっぱい聞いてみたいなあ。どんな景色が見えてくるんだろう😊心よりお待ちしております。

  3. 渡辺照子 より:

    怜美さん、ご投稿を読ませていただきました。朝のご褒美ルーティーンのくだりは、ダイニングルームに朝の日差しが入る中、目の前のハンドドリップにジーっとまなざしを向ける怜美さんの表情が、ほころんでいく様子が、浮かんできました。

    拝読して、以下のような言葉に触れ、私は怜美さんに、ふっかふかのお布団を用意したい気持ちになりました。

    「子育てに悩み」「ため息魔神」「どんな辛いことがあるだろう」「子どもを虐待しちゃいそう」「意地になっていたのだと思う」「自分に厳しく言い聞かせ、苦しい気持ちにしていった」

    上記のような考えや気持ちを味わった怜美さんは、
    冬越しの仕方を既につかんでいらして、

    「ため息魔神だった私は、自分の憂鬱さや不機嫌さを一番上手に扱えるのは自分だ」
    「投げ出さずにやってこられたのは、自分を整え、楽しもうとしている自分がいたからだ」
    「今、私の宝物になっている」

    とおっやってます。

    そうして、ようやく見えてくるのです。
    怜美さんはなぜ、この文章を書いて投稿したのだろう?
    それは、どちらかと言えば、今冬を味わっている方々へ、応援の気持ちやエールを
    おくりたいからなのでは。と。

    上記のことが当たっているかは不明ですが、
    このご投稿から、怜美さんの、不特定な社会の人々・人生に真剣に向き合っている人びとへの愛を感じた次第です。

    追伸 豊村さんのコメントやおっくんのコメントの中に、自分の名前が登場して、ドキ・ニヤッとなりました。☺☺☺

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