諏訪太郎の日々の気づきシェアリング No.42
答えは、いつも現場の中にある
~140店舗中6位のチームから学んだこと~
140店舗中、6位。
抜き打ちのセールス実態調査の結果を見たとき、
正直、驚きました。
スタッフが頑張ってくれているのは知っていました。
でも、ここまでの評価をもらえるとは思っていませんでした。
画面を見つめながら、ふと酒井さんの顔が浮かびました。
彼女がいなければ、この結果はなかったでしょう。
そして同時に、こんな疑問が湧いてきました。
リーダーである私は、役に立っているのだろうか。
いつものように一枚の紙を取り出して、
今の気持ちを書き出してみます。
すると、山本五十六のあの言葉が頭の中に浮かんできました。
もしかしたら、今回の結果のヒントは、
私ではなく現場の中にあるのかもしれない。
そう思いながら、最近の出来事を一つひとつ思い返してみました。
完璧じゃなくていい。「やってみせ」の本当の意味
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」
この言葉を知ったのは、もう何十年も前のことです。
けれど今回、改めて向き合ってみて、
ずっと勘違いしていたことに気づきました。
恥ずかしい話ですが、私はセールスが得意ではありません。
部下に「こうやって接客するんだよ」と見本を見せるとき、
内心では冷や汗をかいています。
お客様の話をうまく聞き出せなかったり、提案のタイミングを逃したり。
「全然いい見本じゃないな」と落ち込むこともあります。
でも、紙に書き出しながら考えていたら、ふと気づきました。
スタッフたちは、私の完璧な技術なんて見たいわけじゃないのかもしれない。
苦手なりに、お客様と必死に向き合おうとする姿。
その不器用な背中を見ているからこそ、
「店長も同じ場所で頑張っている」と感じてくれる。
私が不完全だからこそ、
酒井さんのようなプロの接客がより輝くのかもしれません。
「やってみせ」というのは、上手にやることではない。
同じ場所で一緒に向き合う覚悟を見せること。
そんなことに気づいたのでした。
酒井さんの接客が教えてくれたこと
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
ある日、酒井さんが年配の女性のお客様に接客しているのを、
少し離れたところから見ていました。
お客様は「ピアノの講座を受けたい」とおっしゃっていました。
私だったら、きっとすぐに講座の説明を始めていたでしょう。
でも酒井さんは、まずこう聞きました。
「ピアノ、素敵ですね。何かきっかけがあったんですか?」
その瞬間、お客様の表情がぱっと明るくなりました。
「実は昔、習いたかったんだけど、家の事情で諦めてて。
でも最近時間ができたから、今度こそって思って」
お客様は、昔の友人に話すように、楽しそうに語り始めました。
酒井さんは、うんうんと頷きながら、
「それは素敵ですね」
「ずっと心に残っていたんですね」
と、やさしく言葉を添えています。
その場の空気が、とても穏やかでした。
その様子を見ながら、私ははっとしました。
酒井さんは、すぐに説明をしているわけではありません。
まず、お客様の中にある「大切な思い」を引き出しているのです。
商品よりも先に、その人の物語に耳を傾けている。
だからこそ、お客様は自然と心を開いていくのかもしれません。
その姿を見ながら、私はふと思いました。
もしかしたら、リーダーの仕事も同じなのではないか。
部下に答えを教えることではなく、
その人の中にある考えや思いに耳を傾けること。
そんな場所をつくることなのかもしれない、と。
口を出したくなるのを、何度も堪える理由
「やっている姿を、感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
五十六の最後の言葉。
これが一番難しいです。
正直に言うと、日々、
口を出したくなる場面はたくさんあります。
スタッフの接客を見ていて
「もっとこう聞けばいいのに」
「そのタイミングじゃない」
そう思うことは、数え切れないほどあります。
でも、それを言ってしまったらどうなるか。
部下のモチベーションは下がるでしょうし、
それはもう部下の仕事ではなく、私の仕事になってしまいます。
だから、ぐっと堪えます。
スタッフから
「どうしたらいいですか?」
と聞かれたときは、もちろんアドバイスします。
でも、それ以外は見守ります。
うまくいったときは
「よかったね。何が良かったと思う?」
うまくいかなかったときは
「どうしてうまくいかなかったと思う?次はどうする?」
すると不思議なことに、次にどうすればいいのかは、
たいてい本人が一番よく知っています。
答えは、本人の中にあります。
私の仕事は、
その答えが見つかるまで一緒に考えることだけなのかもしれません。
まとめ:答えは、いつも現場の中にある
今回の出来事を振り返ってみると、
私が何か特別なことをしたわけではありませんでした。
ただ、スタッフの姿をよく見て、
話を聞いて、信じて待っていただけです。
でも、そこにはたくさんの「うまくいっていること」がありました。
酒井さんがお客様の話に耳を傾けていたこと。
スタッフ同士が自然に助け合っていたこと。
そして結果が出たときに、みんなで喜び合えたこと。
その一つひとつの積み重ねが、今回の結果につながったのかもしれません。
こうして振り返ってみると、
リーダーとしてできることは、とてもシンプルです。
誰かの頑張りに気づき、
その人の話に耳を傾け、
うまくいっていることを一緒に見つけること。
そうしているうちに、人は自分の力で前に進み始めます。
答えは、いつも現場の中にあります。
だから今日もまた、私は一枚の紙を取り出して、
こう書いてみようと思います。
「このチームの中で、いま何がうまくいっているだろう?」


諏訪先生へ
おはようございます。
お箸で押さえた高野豆腐が箸を離すと再びだし汁を吸い上げるように
じわーっと体の中にしみこんでいくのがわかります。
・・・「やってみせ」というのは、上手にやることではない。
同じ場所で一緒に向き合う覚悟を見せること・・・
とくにこの一言は心の奥までしみこんでいます。
また勇気をひとついただきましたね。ありがとうございます。
おっくん
僕もその一言にめっちゃ共感しました!
おっくん、いつもありがとうございます!
高野豆腐の下り、とても素敵です。
素敵な言葉をありがとうございます!
「やってみせ」の下りは、
本当にパートさんに学ばせてもらったなと思っています。
若いころの私でしたら、こんな風には考えることが出来ていなかったと思います。
そして、山本五十六のこの言葉って、
本当に奥が深いなと、読むたびに思わせてもらっています♪