諏訪太郎の日々の気づきシェアリング No.38
「面倒くさい」気持ちを成長に変える方法
– 職場トラブルを解決志向で乗り越える –
職場の人間関係って、正直「面倒くさい」と思うこと、ありますよね。同僚からの愚痴やシフトの調整での衝突などに巻き込まれると、心も体もぐったりしてしまいます。
でも実は、その「面倒くさい」という気持ちの中にこそ、前に進むヒントが隠れているんです。
この記事では、私自身が体験した職場でのトラブルをもとに、
・ネガティブな感情をどう受け止めるか
・ どうやって解決志向に切り替えていくか
・ そして、それをどう日常に活かしていけるか
を具体的にお伝えします。
もし今「人間関係に疲れている」と感じているなら、きっと心を軽くするヒントになると思います。
電話の向こうから聞こえたSOS
「あぁ、またか…」
電話口から聞こえるパートさんの声が、いつもと違って震えているのを聞いて、心の中で思わずそうつぶやきました。電話をかけてきたのは、部署のパートさんの一人、奥野さん。いつも明るくてハキハキ話す彼女の声は、その日、今にも泣き出しそうでした。
電話を取ると、第一声から「茂木さんから、ひどいメールが来たんですけど、見ましたか?」と、泣きそうな声で訴えてきました。すぐに自分の席に戻ってメールを確認すると、茂木さんから奥野さん宛てに送られたメールが届いていました。
開いてみると、「来月のシフトの休みについて、全部あなたの要望通りにはいきません」と、いつもよりかなり強い口調で書かれていました。
私は、シフト作成を担当している茂木さんの気持ちも痛いほどわかります。奥野さんは普段から休みの希望が多くて、他のパートさんのシフトを組むのに、茂木さんが苦労しているのを知っていたからです。
なんとか改善できないかと、これまでも何度か話は重ねてきたものの、状況が変わらないことに、ついに感情が爆発しちゃったんだろうな、と思いました。
でも、茂木さんも奥野さんも、この部署では「気が強い」と言われる二人です。案の定、泣きそうな声で電話をかけてきた奥野さんも、「腹立ってきた、直接文句言いに行ってもいいですか」と聞いてきました。
こんな臨戦態勢の2人に直接話をさせるわけにはいきません。「ちょっと待って、まずは私が間に入るから」と、私は必死になだめました。その流れで、奥野さんの話を聞いていくことに。すると、待ってましたとばかりに、奥野さんの口から日頃の不満がダーッと溢れ出てきます。
シフトのことはもちろん、日頃の茂木さんの態度まで、湧き出る泉のように話は止まりません。気づけば、もうすぐ1時間が経とうとしていました。
人間だもの、正直「面倒くさい」
正直なことを言うと、このようなトラブル対応をしていると、「面倒くさいな」と思うことも多々あります。だって、私も人間ですから、誰かの悪口をネチネチ言われるのを聞いているのは、やっぱり好きではありません。
そして、忙しいこの時期に1時間も話を聞いていると、その日の予定が全部狂ってしまうわけです。今日やるはずだった仕事は明日に繰り越され、どんどんタスクが積み上がっていきます。
「あー、面倒くさいな」
「もう、お互いここで痛み分けにしてくれないかな」
今回も、そう思っている自分に気づきました。
でも、ここでこの感情に流されてはいけません。なぜなら、自分の気持ちを優先して対応してしまうと、相手にとって良い結果が出ないことを、これまでの経験で嫌というほど知っていたからです。
心のスイッチ、「解決志向」への切り替え
だから、私は自分が「面倒くさい」とかネガティブな気持ちになったとき、いつも頭の中で唱える言葉があります。それは、「あっ、今、心が穢れているな」という言葉です。自分に軽くツッコミを入れるような、少し冗談めかした言い方にするのがポイントです。
こうすることで、深刻になりすぎずに自分の感情に気づくことができ、自分の視点から、相手の視点へと自然とスイッチが切り替わります。これが、まさにネガティブ思考から解決志向への私の思考の切り替えのスイッチとなっているのです。
もちろん、相手が感情的になっているときは、まずその気持ちをしっかり受け止めてあげることが大切です。奥野さんの話も、最初の40分間は、ただただ相槌を打ちながら聞いていました。そして、奥野さんの感情が少し落ち着いてきた頃合いを見計らい、私は思い切って本題に切り替えました。
「奥野さん、今回のシフトについて、どうなったら奥野さんは良いと思いますか?」
奥野さんと茂木さん、それぞれにじっくり話を聞くこと3時間。私はへとへとになりましたが、二人が納得する形での解決に導くことができました。
最終的に、今月の休みについては奥野さんの要望をほぼ叶えるようにシフトを作成し直すことで落ち着きました。ただ、来月からは、休みの希望は基本的に3日まで、それ以上休みたい時は事前に茂木さんに相談してから希望を出す、というルールにすることも合わせて提案し、両方からOKをもらったのです。
問題解決を「成長のチャンス」に変える
今回の体験から学んだことは、「面倒くさい」と思った瞬間こそ感情の切り替えどき。未来に目を向ける問いを投げかけると、自然に解決への道が見えてくるということです。
ここで大切なのは、「面倒くさい=悪いこと」ではないという視点です。むしろ、「面倒くさい」と感じた瞬間は、自分が成長するための入り口かもしれません。
たとえば、誰かの愚痴を聞くとき。最初は「時間の無駄」と思うかもしれません。でも、そのやり取りの中で「相手がどんなことでつまずきやすいのか」が見えてきたり、「今後のルールづくり」に生かせるヒントが得られたりします。
つまり、「面倒くさい」はチームや組織をより良くするための“宝の地図”のようなものなのです。掘り起こすのは少し大変ですが、その先には必ず価値があります。そして、掘り起こすときに効果を発揮するのが解決志向で考えることなのです。
ぜひ、次にあなたが「面倒くさい」と感じたら、ぜひ立ち止まってみてください。
「これは自分やチームにとって、どんな成長のチャンスだろう?」
そう問いかけるだけで、目の前の出来事が全く違って見えてくるはずです。
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