諏訪太郎の日々の気づきシェアリング No.37
「どっちでもいい」を「やりたい!」に変える!
相手の意欲を引き出す魔法の言葉
皆さんは、部下や子供に何かやってもらいたいと思い、お願いしてみたけど、相手の反応が良くなかったという経験はありませんか?
そんな時、皆さんならどうしますか?
上司として、親として、相手が望む、望まないにかかわらすやってもらうというのも1つの手です。でも、もっといいお願いの仕方があるなら、知りたいと思いませんか?
今日は、私の娘とのそんなやり取りをご紹介します。
「どっちでも良い」が「出る!」に変わった瞬間
私の娘は、昨年の夏からモデルレッスンに通っています。本格的にモデルを目指しているわけでなく、どちらかというとアイドル推しの父親の強い要望もあって、モデルレッスンに通うようになりました。
1年間、楽しみながら頑張ってレッスンに通い、6月には1年間の集大成として、何百人もの観客の前でランウェイで堂々とウォーキングを披露しました。
その姿に親として感動したのはもちろん、娘も「とても楽しかった、またやりたい」と興奮しながら話していました。
本格的にモデルを目指しているわけではないので、本来でしたら、1年で辞める予定でした。でも、娘から楽しかったと言われると、親のやる気に火がついてしまうものです。結局、娘は、現在では上級クラスに通っています。
そして、今日の話は、10月にランナウェーの発表会があることを娘に伝えたことから始まります。
私は、ランナウェーの告知が出ると、嬉しくなりすぐに娘に「10月にまたランナウェーがあるけど出る?」と聞いていました。すると、娘からは、「どっちでも良いよ、お父さん決めて」と、予想に反して、あまり関心がない答えが返ってきました。
「どっちでも良い」という娘の答えには、正直残念な気持ちでいっぱいになりました。しかし、子どもの言葉に一喜一憂しているだけでは何も始まりません。そこで私は、どうすれば娘が「やりたい!」と言ってくれるかを考えました。
そこで思いついたのが、「娘の成功体験にフォーカスしながら質問をする」という方法でした。
娘にとって6月のランウェイは、まさに楽しく感動的な成功体験として記憶に残っているはずです。私はそのポジティブな記憶を呼び起こすように、以下のような会話を試みました。
私:「6月のランウェイ、どうだった?」
娘:「とても楽しかったよ」
私:「うん、とっても上手だったよ。堂々と歩いていて、本物のモデルさんみたいで格好良かった!」
娘:「えへへ」
私:「また出たいって言ってたもんね」
娘:「うん」
私:「10月にまたランウェイがあるんだけど、出てみない?」
娘:「出る!」
私:「格好良く歩いて欲しいから、前回みたいに毎日練習してもらいたいんだけど、練習もできる?」
娘:「できるよ」
私:「じゃあ、10月のランウェイ申し込んでおくね。また格好良い姿を見せてね!」
娘:「分かった」
前に「どっちでも良いよ」と答えていた娘が、すぐに「出る!」と返事をしてくれました。さらに、きちんと毎日練習することも約束してくれたのです。
この経験から、ちょっとした言葉の選び方や問いかけ方で、相手の反応が大きく変わることを改めて実感しました。
相手のモチベーションを引き出す2つの鍵
この経験を通して、相手に何かをお願いする際に、大切なことが2つあることに気が付きました。
まず一つ目は、過去の「できた」経験を思い起こしてもらうことです。
人は、過去に成功した経験をポジティブな感情として記憶しています。また、すでに「できた」ことなので、次もできるという自信につながりやすい利点もあります。
また、その成功を他人から認められ、評価されることで、本人はその体験に改めて価値を見出し、「自分が思っていた以上に素晴らしいことだったんだ」と感じることがあります。
このように、すでに持っている強みや達成したことにフォーカスすることで、その経験を活かして、物事を進めることができます。
そして二つ目は、「上手くいっていることは変えようとしない」ということです。
一度成功した方法や行動パターンというのは、勝ちパターンとして、次の成功につながりやすいです。そして、上手くっていることを続けることで、どんどん成功体験が積み重なり、成功体験を積み重なることで、自信を深め、やがてその道のプロフェッショナルへと成長していくことも少なくありません。
これは、「上手くいっていることは変えようとせず」に、そのまま続けていこうというシンプルな原則になります。
日常のコミュニケーションで活かすヒント
部下や子供にただ「これをやってほしい」と指示するだけでは、やる気をもって取り組んでくれることは少ないのではないでしょうか。
そのような時こそ、過去の「できた」経験に気づかせてあげたり、その「できた」経験を変えずにやってもらうことで、部下にモチベーション高くやってもらうことは出来るようになりますし、プロフェッショナルに育てることが出来る可能性が高くなります。
そのためには、日頃から、部下や子供の「できていること」や「良いところ」に目を向け、それを伝えられるようにしておくことが大切です。そうすることで、彼らは「自分にはできる」、「また同じように成功したい」という気持ちになり、自分から、モチベーション高く行動するでしょう。
ぜひ日々のコミュニケーションの中で、「何がうまくいっているのか」「何を継続すればもっとうまくいくか」という視点を取り入れることで、相手の成長を促し、サポートすることが出来るようになります。
諏訪先生へ
娘さんも知らぬ間に大きく成長されていたんですね。お会いしたことはないですが、どこか懐かしくうれしく感じています。たぶん並んだ文字のすき間からお父さんの気持ちが溢れているからなんでしょうね!
僕には子供はいませんが、やはり登下校の小学生や中学生にはまっすぐに伸びて欲しいなと思います。たぶん自分の子供の頃のことをその子達に投影するんでしょうね。
自治会のハロウィンのイベントのことはFacebookでもご覧いただいていますが、僕は地域の子供たちに実行委員として頑張ってもらうことを企画しています。学校でも地域との交わりを大切にすることを指導してくれているようなので、大人側もそれに応えなければと思っています。
諏訪さんが仰るように、子供たちには思い出に残る成功体験になることを祈りながら。
また、娘さんの登場を楽しみにしてますね。
おっくん
おっくん、いつもコメントをありがとうございます。
小さいことから、娘とのことを書いているので、「会ったことはないけど、懐かしく感じる」と言ってくださる、おっくんのお気持ち嬉しく思います。
うちの子は、ありがたいことに、元気に、素直に(?)育っていってくれており、安心しております。
おっくんのハロウィンイベント見させていただきました!
地域の人々とつながっていくことは、これからの時代とても大切な事だと思っています。
役割を与えながら、地域とつながっていく。
お子様たちには、何物にも代えがたい体験と、経験が得られるんでしょうね。
また、イベント後のお子様の感想などをお聞きしたいなと思いました。