「明日からやってみようかな♪」と思えるSF流シンプル面談 No.7 諏訪太郎
相手に睨まれスタートした交渉が穏やかに終わった訳
「わ~、凄い睨まれている。この後、どうなっちゃうんだろう。」
上司と大切な交渉のために、取引先を訪れました。
この交渉、難航することが初めから分かっていました。
それなので、私1人では荷が重いと考え、経験豊富な上司に同席をお願いしていました。
電話やメールでのやり取りは、いたって普通な感じでした。それなので、困難な交渉と分かっていながらも、まさか、ここまで重い雰囲気で交渉がスタートするとは思いませんでした。しかし、実際に応接室に入ると、相手はすでに臨戦態勢に入っており、こちらを睨みつけながら、相手を拒絶するような雰囲気を出しています。このような悪い雰囲気で交渉がスタートするのは初めてです。
私は、場の雰囲気に飲まれてしまい、何から話していいのか考えつかず、最初の一言を話すことすらできませんでした。そんな中、私の上司がにこやかに微笑みながら、話し始めました。
「コロナが続いていて大変だと思いますが、御社の状況はいかがですか?」
「いや~、コロナで売り上げも落ち大変です。」
質問に対して答えてくれるものの、相手が会話を続ける気がないので、会話がとぎれとぎれになります。それでも私の上司は、にこやかに質問を繰り返していきます。
相手にたいして、「そうですか」、「それは大変ですね」と共感をしながら、興味がある回答に対しては「それはどういうことですか」と深く相手の話を聞いていきます。それを繰り返し30分ほど過ぎると、相手の反応は大きく変わっていました。
会社はこのような状況にあり、このようなことを目指している、そのためにこのような新しいことを始めたと、会社の今後について詳しく話してくれたのでした。
応接室に入ったときには、相手に拒絶され、睨まれていたのです。それなのに今では、相手はにこやかではないものの、場の雰囲気も和らかくなり、今後の交渉で重要になるポイントについて詳しく話してくれたのです。
そして、私の上司は、このタイミングを逃しませんでした。
「では、諏訪さん。こちらの条件もお話して」と、場の雰囲気が柔らかくなったタイミングで、こちらの条件もきちんと話すことも忘れていませんでした。
最終的には、1回目の交渉で、お互いの条件確認をしっかり確認することができました。最初に応接室に入ったときには、このような結果になるとは思っていなかったので、1回目の交渉でここまで話が進んだことに私自身驚きました。
さらに驚いたのは、交渉後に上司が、「いや~、すごく拒絶されてたね~。なんであんなに拒絶していたんだろうね」と、さらっと一言話したことです。それを聞いて、うちの上司は大物だなと改めて感じるとともに、いい勉強をさせてもらったなと思いました。
この経験から私が学んだことは、相手がいかに「不快」な状態でコミュニケーションをとってきても、こちらが「快」の状態でコミュニケーションすることで、「不快」な状態を「快」に変えることが出来るということです。
相手に「不快」な状態でコミュニケーションを取られると、正直あまり気持ちいいのもではありません。それなので、相手に「不快」な状態でコミュニケーションを取られると、自然と自分も「不快」の感情に引っ張られてしまいます。「もう嫌だ」、「早く終わらないかな」という負の感情がわく人もいるでしょう。「なんでこんな態度取るんだ」、「何様のつもりだ」という怒りの感情がわく人もいるでしょう。
でも、こんな状態でコミュニケーションをとっても、上手くいかないですよね。
交渉をする目的は、相手と自分がウインウインの関係、または、お互いが幸せになるためですよね。お互いが幸せになるために提案するのですから、相手の「不快」な感情に引っ張られるのではなく、自分はどうどうと「快」の感情で相手に接すればいいわけです。
結果として、相手と「快-快」のいい関係が築けることもあるでしょうし、「快-不快」の関係で終わることもあるでしょう。でも、結果が大切なのではなくて、自分が「快」の状態でコミュニケーションが取れたというプロセスが大切なのかなと思うわけです。
今回の困難な交渉で、交渉に臨むときの大切な心構えを教えてもらいました。
諏訪さんへ
上司の方の対応、素晴らしいですね。
太陽の光が冷たい氷をじわじわ溶かせていくように、快な笑顔が相手に響いていったんですね。言葉にするのはたやすいですが、場数を踏まないとできないことだなあと感心させられました。
でも上司の方も快な笑顔の底(心)は揺れておられたのかなあ。或いはお話ししながら相手の変化を楽しんでおられたのなら尚すごいですね。
そしてうわべの快-快の場合より逆転勝利でいっそう信頼を強くされたかもしれませんね。
そう思うと逆境もうれしいもんです、笑
貴重な体験談、ありがとうございました。この続編は諏訪さんのひとり訪問編ですか。うわー、緊張する〜。
おっくんさん、コメントありがとうございます。
うちの上司は、百戦錬磨のベテラン上司なので、あの状況を、そして、場の雰囲気が変化していく様子を楽しんでいたんじゃないかと思っています。
おっくんさんが仰るように、上司が1回目の面談で信頼関係を作ってくれたので、次回以降お互いにとっていい方法に進むように、交渉を頑張っていきたいと思います。
また、良い報告できるように、頑張ります♪
誠実に・・・と言うまでもなく諏訪さんなら大丈夫ですわ🙆♂️