「あるもの」をつなぐ No.33 シンイチロウ

ぼくには小さく見えても、相手には大切なこと

2025年がスタートしました。ぼくらのチームも新しい目標を掲げ、あるものをつなぎながら、成果に向かって動き始めています。

今回の記事はメンバーとのコミュニケーションで失敗した話です。コミュニケーションってむずかしい。メンバーのモチベーションは昨日と今日では違う。同じ人でも、まるで違う人と接しているようなときもある。

「今」の相手に向き合うことが大事なのに、それができずに痛恨の失敗をしてしまった話。みなさんもこんな経験ありますでしょうか。

スルーの代償

先日、チームで毎日実施している朝会の中で、メンバーの一人アリオカさんがこんなコメントをしました。

「チュウさん(メンバーの一人)から○◯の件でチャットもらったんですけど、急な要請だし、言い方が・・指図みたいな・・ちょっと嫌な感じがしたんですよね・・」

チュウさんがリーダーになって進めている全社テーマ◯◯で、アリオカさんに必要な資料の提出をお願いしたんです。それが短納期だったんですね。

チュウさんは外国人なので、日本語が直球だったりします。チャットのような文字になると余計直球すぎる印象があって、受け取る側にとって角がたつように感じるときもあります。

普段だったら、アリオカさんもそのことを理解していますから、ひっかからなかったと思うんです。その時はちょうどご家庭の事情や仕事も立て込み、いろんなことに気疲れしている時期でした。

一方で、ぼくは早く朝会を終わらせて、次の仕事をしたいという気持ちで焦っていました。それで、アリオカさんのコメントをスルーしようとしたんです。

「アリオカさん、それはいいんだけど、納期対応はできるのかな?」

これが良くなかった。アリオカさんが怒ってしまったんです。

「私だって忙しいのに、あんな言い方はないと思うんですよ!おうかがいみたいな感じだったらわかるんですけど、なんだか強制じゃないですか!私だって予定があるんですよ!」

ぼくは「しまった!」とおもいつつも、この場をなんとかやり過ごして先に進めたいと思い、「それはわかるんだけどね、今は納期対応が可能かどうかを教えてほしいんです」

この対応がさらに事態を悪化させてしまいました。アリオカさんの怒りはピークに達したんです。

「私は嫌だったんですよ!」

シーン・・・しばらくの沈黙。朝会に不穏な空気が流れる中、チュウさんがアリオカさんに謝る形でいったん事態は収拾しました。ただ、アリオカさんはその後、終始無言でした。

ぼくは次の仕事を気にして気持ちが焦っていたせいもあって、チュウさんの言い方に対するアリオカさんの反応を、都合よく「小さなこと」だと決めつけてしまいました。

「やってしまった・・アリオカさんにもチュウさんにも嫌な思いをさせてしまった」

後悔先にたたずです。

相手にとっては大切なこと

アリオカさんがどんな気持ちでいるか気になりました。まだ怒っているのか。少しは気持ちがおさまったのか。ぼくはアリオカさんの話を聞く機会を伺っていました。

ちょうど二人でやる打合せがあったので、そこで話を聞こうと思ったら、アリオカさんから話してくれました。

「あの、さっきの話ですけど!チュウさんは強制するつもりはないとわかっているんですけど、もう少し配慮というか、“急ぎで申し訳ないんですけど”とかあってもいいと思うんですよね!私だって仕事をたくさん抱えてますし、家庭も大事な時期なんで・・」

アリオカさんは、頭ではチュウさんは悪気はないとわかっているんです。だけど、気持ちは「私の事情もちゃんとわかってよ、理解してよ」って訴えてたんです。

ぼくはアリオカさんの大切な気持ちを小さなことと受け止めて、しっかりわかってあげることができなかった。アリオカさんの気持ちが置いてけぼりになってしまいました。

アリオカさんが気持ちを話してくれた後は落ち着いた様子で内心ホッとしました。でもそれ以上に、メンバーの大切を大切にする機会を捉えられなかったことが悔やまれました。

次に活かそう!

期の初めにこんな事があって、むしろラッキーだったかもしれないです。メンバーが自分らしさを発揮して成果をつくっていくためには、マネージャーとして相手志向での関わりがすっごく大事。その相手志向の大切さを改めて印象付けてくれた出来事でした。

「メンバーにとって」大切なことを中心に据えて仕事に取り組もう!

「あるもの」をつなぐ No.33 シンイチロウ” に対して4件のコメントがあります。

  1. シオタリョウコ より:

    「私は嫌だったんですよ!」と、自分の気持ちを表現するアリオカさん、すごい!
    また、それを言える環境が素敵!と、思いました。

    嫌な思いをしても何も言えず我慢して、我慢して、心を病んでしまう人。我慢の限界が来たら「退職届」を出す人…を現場で何度も見てきました。

    朝会を長年大切にしてこられているシンイチロウさんとスタッフの『コミュニケーションの場』が良い空気を作っているんだな…こんな場を作りたいな…と、思っています。
    もちろん、今回は良い空気ではなかったと思いますが、アリオカさんの「さっきの話ですけど…」とご自分から言う姿勢とか、プロアクティブ!

    自分の気持ちに正直で自分に誠実なアリオカさん、魅力的です。

  2. おっくん より:

    シンイチロウさんへ

     塩田さんの仰るように小林さんの職場の雰囲気って「本音の言える環境」なんですよね。こんなのはいくら声を張り上げてもすぐにできるものでも無いですよね。朝会、万歳です!
     それに怒りの気持ちを表しつつも、チュウさんや周りへの影響を考えているアリオカもいるんですよね。リーダーとしては大変なんだろうけど、このような小さな地震が起きることで大きな震災を防ぐこともできるし、少しの揺れがお互いの存在を確かめ合える良い機会になればと遠くから祈る次第です。

     2025年も始まりました。20周年でお会いした時のシンイチロウさんは、やけにニヤついてたのでもう「繋がりの土台」を手にしているように見えました。だってこんな小さな出来事でも気に留めて、ブログの記事にしてしまえるシンイチロウさんなんですもの😊 今年もよろしく‼︎

    1. シンイチロウ より:

      おっくん、コメントありがとうございます。

      20周年記念ではモニター越しに、ひさしぶりにお顔拝見できてうれしかったです😊

      本音が言える環境ができているたら嬉しいですね♪

      おっくんが言う「繋がりの土台」は、一番大事にいしているところです。この土台づくりの手を抜くと、チームないのコミュニケーションがぎこちなくなります。何度となくそんなことがありました。

      今日も土台づくりの朝会、実施しますよー!

  3. シンイチロウ より:

    シオタさん、コメントありがとうございます。

    あらためて「言える環境」ができてきたんだなあ、と再確認できました。気持ちを伝えてくれるのは本当にありがたいです。

    アリオカさん、素敵でしょ笑 メンバーを褒められるとうれしいですね♪

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