「あるもの」をつなぐ No.32 シンイチロウ

マネージャーの仕事

ぼくは組織のマネージャーとして半期(6ヶ月)で達成すべき目標をつくり、その目標達成に向かってメンバーと協働しています。

毎月上層部への進捗報告会があり、フィードバックをもらいます。できてないところを指摘され、マネジメントのやり方に問題があるんじゃないかなど、厳しいご指摘もいただきます。

こうしたフィードバックも取り入れながら、次月の活動を改善していきます。管理職の方はおおよそこのプロセスで仕事をされているのではないでしょうか。

焦りが問題志向につながる

目標に届いていないと焦ることもあります。焦るとメンバーとの関わり方がどうしても問題志向になりがちなんです。メンバーのできてないところ、ダメなところに目がいきがちです。

先日、メンバーのアリオカさんが今期やらなきゃいけない重点テーマAを進めていないことがわかりました。

「11月までに完了させる予定だったのに…なんで進めてくれないのかなあ。いつもぼくがサポートしないと進まないんだよなあ。少しは自分で考えて自主的に進めて欲しいんだけどなあ」

こうなっちゃうと、次にアリオカさんと会話をしたとき、出来てないことについての会話からスタートしてしまいます。問題にロックオンされて問題志向のサイクルが回りはじめます。

問題に着目して問題解決がスムーズに進めばいいんです。ただアリオカさんが重点テーマAが進んでないことを問題視したとき、どのように感じるのかが大事です。

アリオカさんは別の重点テーマBに集中して忙しくしています。ご自身は一生懸命やっていると思っています。その中で重点テーマAが進んでないことを問題視することが前向きな行動につながるとは思えません。ここで大事なキーワードは相手志向です。

今後、アリオカさんが重点テーマAにも前向きに取り組めるようにするには、どのように関わっていったらよいのでしょうか。

相手志向なら解決志向に乗り換えられる

マネージャーとしてのぼくは、上層部から進捗に問題があると指摘されたことで、焦りを感じて問題にロックオンされてしまいました。だってキミは会社に貢献できてないよ、役割を果たせてないよ、て言われているようなものですから。

そんな焦りを抱えながらも、アリオカさんが重点テーマAに前向きに取り組めるようにするにはどうしたらよいか。ここは相手志向の姿勢でアリオカさんに聞いてみたんです。

ぼく
「重点テーマAなんだけどさあ、どんな感じで進んでるかな?」

アリオカさん
「重点テーマBでいっぱいですよ!全社イベントもあるし手がまわらないです!」

ご自身でも進められてないことを気にしていたんです。思うように仕事が回せてなくて重点テーマAを進められていないことに後ろめたさ?を感じていたのかもしれません。

ぼく
「ああ…そうだよね。重点テーマBは結果が見えてきてよかったね。全社イベントは今が佳境だね…会場が変わったことで仕事が増えて大変だよなあ」

アリオカさん
「そうですよ!うちの役割じゃないけど、他部門と一緒にやってあげないと納期はまらなくなりますよ!」

ぼく
「そうだね。全社イベントだし、役割を超えて協力して納期対応していくれていることはホント感謝です」

アリオカさん
「そう言っていただけると、なんとか頑張ろうと思います。で、重点テーマAは仕事を進めるための材料がそろわなくて困ってます。コムラさんとは準備は整っているんですけど…前工程がもめてるんですよね…」

ぼく
「そうなんですね。困ったね…材料そろわないことには進められないもんね。前工程を担当しているモロハシ マネージャーはどんな状況なんだろう…一緒に聞いてみる?」

アリオカさん
「ありがとうございます。私から聞いてみます。私が担当ですし。そろそろ聞いてみようかと思ってたんで」

ぼく
「了解です。それならお任せしますね。ありがとうございます」

アリオカさんは重点テーマAについて、忙しい中でも関係者のコムラさんと仕事を進めていたんです。ただ、前工程で仕事が詰まっていて、その前工程に働きかけるところまでは手がけてなかったんです。

結局、アリオカさんはモロハシ マネージャーに状況を確認し、可能なところから材料をもらって自身の仕事を進めることができました。

マネージャーはいつでもキミの味方だよ

もし、問題志向で進めたとしたら…重点テーマAができてないじゃないか、なぜできてないんだ、前の仕事が止まっているなら急ぐように要請したらいいじゃないか、という具合に話が進んだかもしれません。

これは会社都合のアプローチですね。アリオカさんの前向きな取り組みに至らなかったかもしれません。メンバーを主体に置いた相手志向になっていないんですね。

相手志向とは、相手の立場や状況をちゃんとわかること。困っているなら、その困っている気持ちを一緒に感じて、じゃあどうしたらいいかを一緒に考えて対処していくこと。

マネージャーはいつでもメンバーの味方だよ。キミが困っているときは一人で悩まなくていいんだよ。ぼくが一緒に悩んで一緒に立ち向かうよ。こんなメッセージがメンバーに届いていて欲しいですね。

ぼくのブログ記事担当は今年最後となります。読んでくださりありがとうございました。みなさまの解決志向の取り組みの一助になっていれていればとてもうれしいです。来年もみなさまにとって良い年でありますように。

「あるもの」をつなぐ No.32 シンイチロウ” に対して3件のコメントがあります。

  1. おっくん より:

    小林さんへ

     最後まで読ませていただいて、しんみりしてしまいましたよ。寂しくなりますね。
     でも最終回にふさわしい、シンプルで的を得た小林さんらしさが漂う文面に心があったかくなりました。
     ちょうど自治会のことで「なんで?」が湧き出そうとしていた時なので、「そうだよね、相手の気持ちだよね」と進む道を戻すことができました。ありがとうございます。生きるのは結構難しいけれど、こんな気づきをもらえる仲間がいることは素晴らしいです。

     振り返れば、解体新書の時の小林さんの高揚した笑顔が今でも思い起こされます。今回の「マネージャーはいつでもキミの味方だ!」も小林さんの信念なので一生忘れませんよ。SFの先輩としてこれからも応援よろしくお願いいたします。
    谷奥勝美(おっくん)

    1. シンイチロウ より:

      おっくんへ

      ありがとうございます。
      今年もたくさんのコメントいただけて、どれほど励みになったかわかりません。
      感謝、感謝です!

      来年もぼくのチームの七転八倒を発信していれければと思ってます。

      25年上期に向けて組織目標をメンバー一人ひとりの持ち味を込めてつくりました。
      昨日、共有したのですが、何か「やってやるぞ!」という雰囲気を感じました。
      良いスタートがきれるといいな♪

      >ちょうど自治会のことで「なんで?」が湧き出そうとしていた時なので、「そうだよね、相手の気持ちだよね」と進む道を戻すことができました。

      なんで?が湧き出す感じ、なんかわかりますよ。
      モヤモヤしますよね〜。ぼくもしょっちゅう感じます。

      でもそれが「そうだよね、相手の気持ちだよね」って思えるきっかけになって
      相手志向へ道を戻すサインになるんだなあって気づきになりました。

      おっくんの気づきの共有いただくことが、ぼくのチカラ、
      チームのチカラになっています。チームの一員ですね笑

      自治会の活動、応援してますよ!
      お互い、活動を味わいながら楽しんでいきましょー♪

      シンイチロウ

      1. おっくん より:

        そうか、そうだったのか。

        年内はこれが最後ってことね!

        楽しみは続くんですね〜😊

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