「あるもの」をつなぐ No.19 小林シンイチロウ

仕事のやり方は十人十色

GWはいかがお過ごしでしょうか。お休みを満喫されている方、お仕事されている方、様々だと思います。ぼくは3月からGWにかけて、新製品発表会の準備で慌ただしかったので、ようやくGWに入ってホッとしています。なんとか走りきってきた感じでしょうか。家族と遊んだり、家の掃除をしたり、運動したりして過ごしています。

今回は部下のアリオカさんとの「仕事の進め方」を通じて感じたことをお伝えします。上司という立場としてはちょっと恥ずかしいことも書いていますが、正直な気持ちを書くことをモットーとしていますので、そのあたりも含めて味わっていただければと思います。

アリオカさんの成長

部下のアリオカさんはこの3年で大きく大きく成長しました。自分の成長って自覚しにくいのですが、他人の成長は良くわかりますね。特にこの3ヶ月でさらにグーンと成長しました。頼もしくてかっこいいなあと思います。

これまでの問題行動

アリオカさんは以前、遅刻や急な欠勤が多かったりと、周囲からあまり良い評価を得られていませんでした。急な遅刻や欠勤によって、会議を欠席して周囲に迷惑がかかっていました。

遅刻や欠勤は会社の制度からすれば問題です。ぼくもすぐにでも解決してほしいと思っていました。

問題が起こってしまう事情

詳しくは書けませんが、アリオカさんのご家族や生活状況を聞いていれば、遅刻や急な欠勤につながる事情が想像できます。お子さんを大切したいと思う気持ちも垣間見えるのです。

少なくとも上司であるぼくは、問題の表面だけでなく、問題につながってしまう事情も知ることは部下をちゃんと、まるごと理解する意味で大切なことだと思います。

そうした事情も踏まえると、この遅刻や欠勤を改善するには、もっとアリオカさんの私生活に踏み込まなければなりません。しかし、そんなことはできません。だから簡単に解決できる問題ではありません。

問題が簡単に解決できない時、解決志向が活きる

いろいろと悩みましたが、ぼくが選んだ道は、この遅刻や欠勤の問題を受け入れながら、アリオカさんが出来ることで、部門に貢献できることをもっと伸ばしていくことです。問題に囚われすぎることなく、部門に貢献することにおもいっきりフォーカスして取り組むことです。

周囲から指摘された問題を簡単に解決できたら、それはとても良いことだと思います。しかし致命的な問題でない限りは、難儀な問題にこだわりすぎるのも問題解決に関わる人の負担が増えますし、時間もムダになってしまいます。

こんな時、ぼくは会社や組織が向かいたい方向へ向かい、目標に近づく良い方法があれば、問題は置き去りにして直接解決へ向かう手がかりを探すように方向転換をします。

うまくやれる仕事のやり方はひとそれぞれ。十人十色

アリオカさんには全社に貢献できる新製品発表会のプロジェクト推進を引き継いでいきたいと考えていました。まずは予算管理の仕事を任せていたのですが、なかなかすすみません。「時間がなくてできませんでした」などとやれなかった言い訳を繰り返していたのです。

ある時、ぼくとリモートをつないでアリオカさんが予算管理の作業をしていました。すると、「小林さんとリモートつないでいると、安心して仕事ができて進めやすいんです」と言うのです。この時以来、アリオカさんに予算管理の作業や資料づくりなどしてもらうときは、ぼくとリモートをつないで仕事してもらっています。

これが結構よくて、アリオカさんがわからないところがあったときは、即ぼくに質問して次に進めることができます。ぼくはリモートつなぎながらも自分の仕事ができるので困ることはありません。

一方、この進め方には賛否両論あります。「部下に仕事を教えたら、まず一人でやらせるべきだ。じゃないと育成にならないじゃないか」と言う人もいます。しかし本人がこのやり方が良いと言っていて、本人の成長につながるのであればどんなやり方をしても良いと思います。

役立つ仕事のやり方はひとそれぞれ。十人十色です。

一歩うしろからついていく

こうしてアリオカさんが好む仕事のやり方を継続したことで、これまでとは段違いに成長しました。ぼくはアリオカさんの仕事の仕方に合わせて、一歩うしろからついていくスタンスです。こうしてアリオカさんはどんどん知見やスキルを高めて自信がついていきました。

一方で、部下がどんどん成長していくと、上司が必要ない場面が増えてきます。これは目指す状態でありますし喜ばしいことです。しかし、どこか寂しくなることがあります。上司として頼られたい、必要とされたいという気持ちがあるんでしょうか。このような気持ちも受け止めつつ、引き続き、メンバーを一歩うしろから支えていければと思います。

仕事の仕方、育成の仕方は十人十色。メンバーがやり易い方法を見つけて実践しよう!

「あるもの」をつなぐ No.19 小林シンイチロウ” に対して4件のコメントがあります。

  1. シオタリョウコ より:

    小林さん、今回のブログも感動で、心にじわぁ~っと沁みています。

    *致命的な問題でない限りは、難儀な問題にこだわりすぎるのも問題解決に関わる人の負担が増えますし、時間もムダになってしまいます。こんな時、ぼくは会社や組織が向かいたい方向へ向かい、目標に近づく良い方法があれば、問題は置き去りにして直接解決へ向かう手がかりを探すように方向転換をします

    ここが特に心に響きました。
    「心理的安全性」について最近本を読んでいるのですが、リモートをつないだままでの仕事でアリオカさんの変化を考えると、まさに心理的安全な環境がそこにあるのだと思いました。

    小林さんの取り組みはとてもクリエイティブで柔軟ですね。今までのやり方とか、とかく言われがちな部下への関わり方など、否定はしないけど、執着せず新しい方法を見つける。そこで大切にするのが『相手の大切にしていきたいことを大切にする』まさにこれは小林さんに教えてもらった事ですが、今回もそうですよね。

    実は先日、クライアントから「解決志向は自分のやり方ではないな」と言われました。
    こういう方も認める(受け入れる)ことが真の解決志向実践者なのだと頭では思いながらちょっと心がザワザワしていましたが、今回の小林さんのブログで少し心が柔らかくなれそうです。

    いつも刺激たくさんいただいています。ありがとうございます。

  2. シンイチロウ より:

    塩田さん

    コメントありがとうございました。ぼくが拠り所にしている『相手の大切にしていきたいことを大切にする』を思い出していただいてうれしいです。

    塩田さんのクライアントさんは「解決志向は自分のやり方ではないな」と思われたんですね。ぼくも直接聞いたらザワついてしまうかもです笑 こういう方も受け入れようとするところに塩田さんの真摯さを感じました。

    こちらこそ感じたことを伝えてくださってありがとうございます。

    シンイチロウ

  3. おっくん より:

    小林さんへ

    「小林さんとリモートつないでいると、安心して仕事ができて進めやすいんです」・・・たったこれだけ?ってことはないでしょうけれど、人の成長に必要な「しくみ」って本当はシンプルなんだなあと気づかされます。

     塩田さんが仰るように「心理的安全」であることはどのような場面においても大切な要素ですよね。「心理的安全」が欠如しているところは「不安、怒り、憎悪、妬み、無関心・・」などマイナスの気持ちが出てきやすくなるのではないでしょうか。人間にはその両面が内在しているのでうまーくコントロールしないといけないですね。と、そのように考えが膨らみました。

     これからも主婦としてのアリオカさんを想像しながら、職場でのご活躍にも期待していきます。がんばれアリオカ!がんばれチーム小林❣️

  4. シンイチロウ より:

    おっくんへ

    いつもコメントありがとうございます。

    そうですね、「心理的安全」が欠如していると、マイナスの気持ちになりやすいのかもしれません
    。心理的安全って大事ですね。

    アリオカさんは子供にかける時間も大切にしたいし、仕事である程度の立場になって家族を支えたいという気持ちがあります。朝会の話ですとか、打ち合わせ中の雑談で感じるんですね。

    そんな大切な気持ちを見守ってあげる、応援してあげることが心理的な安全につながるんでしょうかね。

    いつも応援ありがとうございます!

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