「あるもの」をつなぐ No.15 小林シンイチロウ

「自分なりの努力」を聞いて、次への意欲につなげよう!

今回は努力と意欲がテーマとなります。「努力」ということばにはさまざまな印象があるとおもいます。いくつか挙げてみました。

ポジティブなものだと、
「努力は美しい」
「努力あっての成功だ」
「努力は裏切らない」
「努力は必ず報われる」

一方、ネガティブなものは。
「努力より結果だ」
「努力を言うのは失敗の言い訳だ」
「努力は必ずしも報われない」
「努力しなきゃいけないのは、楽しくない証拠だ」

ぼくは努力をポジティブに感じています。体育会的な環境で育ったこともあり、努力は美しいとさえ思ってしまいます。古い人間なのでしょうか 笑

<努力について語ることの大切さ>
仕事に限らず、生活していれば何かしらの努力しています。努力とは「目標実現のため、心身を労してつとめること」だそうです。

仕事では結果のみ求められる事が多く、努力について語れる機会は少ないかも知れません。ぼくは朝のチーム報連相でうまくいった・いかないに関わらず、「努力」を聞いています。理由は単純でぼく自身が、自分なりに努力したことを人に知ってほしいからです。うまくいった・いかないという上辺だけをさらって終わりにして欲しくないからです。だからぼくも部下の努力を聞きたい。チームで共有したい。チームで努力を讃えたいのです。

仕事がうまくいかなくても、自分なりの努力を知ってもらい、あわよくば労ってもらうことで、努力は無駄じゃなかったと救われる。やり方はまずかったかも知れないけど、自分なりに精一杯やれたと思える。そう思えることで、じゃあ次はうまくいかせる為にがんばってみようと意欲も湧いてくる。次の行動に向けたリソースになります。

<アリオカさんの努力>
先日アリオカさんが仕事で外出して戻ってきてから独り言を言っていました。

アリオカさん:
「私が撮影に立ち会った意味あったのかなあ。忙しいのに呼ばれたから行ったんだけど・・意味あったのかなあ」

他部門から呼ばれて行って撮影のアドバイスをしたのに、相手の反応がなく自分が役にたったのかわからないというのです。

コバヤシ:
「アリオカさん、おつかれさまでしたね。今日はどんなことしたの?」

アリオカさん:
「新商品撮影だったんです。商品のアングルが変だったのでアドバイスしました。現場にいた人がほぼ素人だったんですよね。他にも段取りがおかしいと思ったので言って直してもらったんです。私なりに一生懸命やったんですけどねえ」

コバヤシ:
「おかしいところに気づけて直せたのはよかったじゃないですか。相手の反応はどうでした?」

アリオカさん:
「特に感謝されるでもなく、あたりまえのように撮影が進んでいったんです。せっかく行ったのに意味あったのかなあって思って・・」

コバヤシ:
「いやいや、ほっといたらとんでもない撮影になってたと思うよ。Aさんの知見を生かした撮影ができてよかったよ。忙しい中他部門のサポートしてくれてありがとう。」

アリオカさん:
「そう言っていただけると報われます。そうですよね、あのままだったらちょっとWEBにあげられないです。行ってよかったです。なんか気持ちが軽くなりました。」

こうしてアリオカさんは気持ちよく次の仕事に取り組む事ができました。

<自分なりの努力は尊いと思う>
仕事の中には「自分なりの努力」がたくさん詰まってますし、その努力は意欲のリソースになります。小さな努力、大きな努力、難しい努力、簡単な努力、ぜんぶ大事。自分なりの努力に正解・不正解も優劣もない。自分なりの努力は尊いなあって思います。

「自分なりの努力」を聞いて、次への意欲につなげよう!

「あるもの」をつなぐ No.15 小林シンイチロウ” に対して9件のコメントがあります。

  1. 小畑さ より:

    小林さまの記事に初コメントいたします!

    「忙しい中他部門のサポートしてくれてありがとう。」
    と小林さまに言ってもらえたアリオカさんを想像しました。アリオカさん、きっと胸の中(心情)が満たされてスペースが生まれていったのだろうな、自己信頼のようなものも持ち直せたのではないかなと想像します^^ 努力は尊いなと本人(当事者)が確認するために、感謝するということは効果大だな〜と感じだ次第です。

    最近、私は自分の努力の仕方が不器用だと思って嫌んなっちゃいそうな日があるのですが、「今日も忙しい中〇〇してくれてありがとう!」と自分に言ってあげようと思います。そして気持ちが軽くなったら、夫の努力にも同じく声かけしたいと思います。ちょっとだけ 笑

    1. 小林進一郎 より:

      小畑さん、コメントありがうございます。そうですね!ちょうど対面で話していたので、アリオカさんの不満な表情がスーッと落ち着いて満たされていった印象でした。自己信頼を高めてくれたらうれしいです。これからもメンバーが努力を話しやすい環境づくりしていきたいとおもいます。

      わかります!ぼくも不器用でして、あさっての方向で努力してムダに終わることも多いです苦笑 そんなときは本当に嫌になります。だけど、やっぱり努力しようと思ってやってみたことだけで素晴らしいことだし尊いですよ。お互い「今日も忙しい中〇〇してくれてありがとう!」と自分に言ってあげましょう。だんなさまにも是非!

  2. シオタリョウコ より:

    「自分なりの努力」良いですね!凄くいい!と、しみじみ味わっています。

    実は、最近考えていた「つもり」と言う言葉。
    ・自分なりにやった(つもり)だけど…
    ・自分なりに頑張った(つもり)なnだけど…
    に続く言葉は、(うまくいかなかった)(失敗した)などちょっと残念な言葉。

    「つもり」はやっていないということだ!と、言う人が以前いたのですが、SFを学んでから
    *(やっていない)かもしれないけど、(やっている)かもしれない。と思うようになりました。

    小林さんのコラム読んで「自分の努力」はもちろん「自分がやったつもりのもの」も尊いんじゃないかなぁ~と、思えました。そう!尊いです!(笑)

    すっきりしました。ありがとうございます。

    1. 小林進一郎 より:

      シオタさん、コメントいただいてありがとうございます。お返事長くなりますがご容赦ください。

      うんうん、たしかに自分なりの努力は「つもり」がついて「失敗」とか残念な言葉につながる使い方しますね。ぼくの場合は、上司に「一生懸命やったつもりなんですけど・・」と失敗の言い訳として使うことがあります。結果が失敗しただけなのに、せっかくの尊い努力に「つもり」をつけてニセモノ扱いされちゃうなんて残念だなって思います。

      結果が失敗したから「つもり」なんて言わざるを得ないかもしれませんが、おっしゃるように自分なりの努力は失敗しようが、成功しようが尊いものだと思いますし、賞賛されることだと思います!

      ちょっと思い出したことがあるので共有させてください。以前、部下育成で仕事終わりに、したこと・できたことだけを聞くミーティングを毎日繰り返していたら、「うまくいかなかったことを聞かれないので、チャレンジできるし、やるべきことに集中できました」と部下が話していました。失敗のことを考えると仕事してる最中に言い訳を考えながら仕事してしまい効率が悪くなる、と話していました。努力が賞賛されれば、迷いや恐れなくチャレンジできるんだなと実感しました。

      自分なりの意味は「自分で考えて善処する」らしいです。同義語は「自分のできる方法で」「自分のやり方で」「自分のもつ考えで」とありました。

      自分らしく善処する。そしてその善処が賞賛される。この繰り返しが自分らしさを活かすのに大事なんだと改めて思い起こさせていただきました。ありがとうございました。

      1. シオタリョウコ より:

        小林さん、「自分なり」の意味、教えて下さってありがとうございます。
        上司の、同僚の物差しではなく、「自分」をしっかり持った仕事の仕方、生き方が大切ですね。
        人の意見を取り入れたりするのは良いけど、その時でさえ自分の考えを持って取り入れるのとそうでないのとは「自分の人生を生きていることにならない」と最近思うことがあったのです。

        部下の方の言葉も心に響きました。部下のそのままの力を優しくサポートしたり、エネルギーを違う方向に流れさせないために「その人なりの努力」を聞くこと、私も実践しようと思いました。

        小林さん、いつもありがとうございます。

  3. おっくん より:

    小林さんへ

     なるほど「努力」ですか・・・僕には遠く懐かしい響きに聞こえてきました。と言うのも家のことは奥さんの言いなり😂、仕事はパートなので経営や昇格などという大きな課題を背負うこともなく、マイペースで自分の心のままに取り組んでいるという感じです。元々自由な人間だからその方が性に合っているのかもしれませんね。

     努力についての小林さんの価値観に賛成です。僕も古い人間になりますね😅
     (良い)結果と言ってもそこまでのアプローチがあってこその賜物なので、どちらかと言うとアプローチの方を聞いてほしいものだと思います。だから小林さんのようにきちんと見ていてくれる存在が大事ですよね。

     都合良く次回のカフェに参加出来ることになったので、テーマである「プラスの眼鏡で見た私の2022」とは?と考えてみたところ・・・冒頭に書いたように気楽に物事を見つめて、自己責任の範囲で自由な立場を満喫しているおかげで、

    ①仕事に前向きでいられる
    ②フットワーク軽くいられる
    ③欲張りながら欲張らず程々に
    ④生きている実感がある?

    うーん、なんだか「努力」してないようにも見えるけど、小さな努力、簡単な努力でいいんですよね、小林さん!

  4. 小林進一郎 より:

    おっくんへ

    コメントありがとうございました。努力の価値観同じですか!お互い古い人間ですね 笑

    次回のカフェテーマ「プラスの眼鏡で見た私の2022」とは?について考え始めるのはいいですね。ぼくも考え始めてみます。

    「気楽に物事を見つめて、自己責任の範囲で自由な立場を満喫」されているなんて素敵です。軽やかで、充実している雰囲気が漂ってきます。

    小さな努力、簡単な努力でいいとおもいます!自分らしさにつながっていることが大事なんじゃないでしょうか。ぼくにはおっくんが自分らしく生きていてとっても素敵に見えます。ぼくも自分らしく進んでいきたいとおもいます!

    1. おっくん より:

       今は人から褒めて捉える機会も無いので、こんなふうに褒めていただけると嬉しいものですね😊本当に!ありがとうございます。

       塩田さんへの返信にある仕事終わりミーティングでの「したこと、出来たことを聞く」というのはシンプルでとても良いですね。明日からでも使ってみます。管理者ではないですけど小さな努力してみますよ〜っ。

  5. 深山敏郎 より:

    小林さんの文章、そしてコメントをしてくださった方々とのやり取りを拝読して、それだけで幸せな気分になりました。私もそうした上司になりたいです。

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