「あるもの」をつなぐ No.12 小林シンイチロウ

メンバーの得意を仕事へつなぐ

グループメンバーのKさんは定年を迎えました。今後はシニア社員として一緒に仕事をしていきます。中途で入って20数年。ご苦労さまでした。続けるだけでもスゴイことだと思います。これまでの破天荒さはいくつか聞いているのですが、ちょっとここで話すことはできません 笑

Kさんは見かけや考え方含めてとてもとても定年という感じではないです。毎朝走って体力を維持しながらサーフィンを楽しんでいます。

先日オフィスで二人きりのときに給料の話になり、定年になると大幅に減額になると聞きました。ぼくはマネージャーとして減額になってからのKさんの心境が気になっていました。

Kさんが今後もやりがいを持って働いてもらうために、ぼくはKさんがチームに貢献できて、しかも周囲から評価されるような仕事を作りたいと思っていました。今回はそんな話です。

<給料下がったらやる気なくなるよね〜>

Kさん: 「もうさあ、やる気なくなるよね。給料めちゃくちゃ減ってもやること変わらないんだよ。やんなっちゃうよ。」

コバヤシ: 「そうですよね。。副業も解禁になったし、副業っていう手もありますよ。」

Kさん:「そうだけどさあ、そう簡単じゃないよね。仕事だって何でもいいわけじゃないし。お金のためだけじゃないしね。」

確かにやりがいのある副業は簡単には見つからないだろうし、探すのに時間もかかると思います。以前、Kさんは会社にいる間は好きなデザイン制作の仕事で終わりたいと言っていました。仕事中にデザインのことを話しているKさんはキラキラしてます。

ぼくのグループは手を動かしてデザイン制作することは仕事のメインではありません。だから、ちょっと前に、Kさんはデザイン制作の前部署に戻りたいと異動願いを出しました。しかし、前部署での評判がよくなかったため、異動はかないませんでした。

こんなことがあったので、Kさんがデザイン制作のスキルを活かして活躍できる機会がないか窺っていました。そして各メンバーが外部で作っているデザインについて、朝会でKさんからアドバイスをしてもらうことをはじめました。

アドバイスは的確で、大変役立つものでした。グループメンバーはKさんへのリスペクトを高めていきました。

<「自前のデザイン制作」を仕事にしちゃおう!>

Kさんがもっと活躍して評価されるためには、自前でデザイン制作することを僕らのグループの仕事に昇格させてしまうことです。そうすれば、上層部や関係部署、人事部から見て、デザイン制作をリードするKさんの立場や印象は高まります。シニア社員の中でもトップクラスの給与をもらえる可能性がある。

ちょうどメンバーのCさんは営業部門から短期でたくさんのデザイン制作依頼を受けていました。お客様のサイクルが早くなっており、営業がそれに対応していました。その要請に応えるためにCさんは外部へ制作依頼を出すと同時に、カンタンなデザインはいちいち外部に出さずに自分でデザイン制作し始めていました。

ぼくはその様子を見ていて、どうも営業部門からの依頼は今後増えそう・・・しかもCさんの対応に営業はすごく有り難がっている・・・Cさんはデザイン制作スキルを高めたいと望んでいる・・・と観察しながら「自前でデザイン制作すること」をグループの仕事にしてみようと決めました。

<Kさんのデザイン教室がスタート>

とはいっても、すぐに自前のデザイン制作を仕事にできるわけではありません。Cさんはじめ、Aさんも、ぼくも自前でデザイン制作するだけのスキルがありません。

デザイン制作スキルで先頭を走っているCさんは、オンライン研修を受講していました。それでもわからないことが出てくると、Kさんに都度質問しています。実践のコツは仕事で使っている人に聞くのが一番のようです。

「自前のデザイン制作」を仕事に昇格させるため、まずはKさんのデザイン教室を始めたらどうかと考えていました。そしてKさんに相談してみました。

コバヤシ:「最近は朝会でデザインのアドバイスもらっていますが、さらに体系的なデザイン教室を企画してみるっていうのはどうかな?デザイン事務所に協力してもらうのもありですよね。」

Kさん:「いいね!Cさんが自分でデザイン制作スキルを身につけたがっているんだよね。デザイン事務所にも協力してもらってデザイン講習のプログラムをつくるよ。実践に役立つプログラムができると思うよ。外の講習は教えることが多すぎて効率悪かったりするし。」

コバヤシ:「Kさん、よろしくお願いします!ぼくもスキル身につけるために参加します。」

Kさん:「事前課題だすからしっかりやってよ!」

ぼく:「・・なんとか時間見つけてやります!」

<Kさんの得意がチーム力にも貢献>

こうしてデザイン教室の企画を進めることになりました。こういうときのKさんは動きも早いし、入念に準備を進めていきます。

朝会の中でKさんがデザイン教室を主催してくれることをメンバーに伝えたところCさんは大喜び。

Cさん:「デザイン教室ありがたいです!Kさんありがとうございます。いまは都度デザインのアドバイスもらってますが、体系的に学びたいと思っていました。実践的なのはうれしいです!本当にありがとうございます。」

Kさん:「それならちょうどいいよ。仕事につながることしかやらないから。」

Cさん・Aさん:「Kさん、ありがとうございます!」

こうしてKさん主催のデザイン教室が始まりました。ぼくも事前課題をやって臨みましたが、飲み込みが悪い方なので落ちこぼれ気味。CさんはKさんにたくさん質問しながら、有意義な時間を過ごしていました。

Cさん:「Kさん、デザイン教室素晴らしかったです!すぐに仕事に役立ちます。」

教室が終わった後、Kさんはみんなからヒアリングして次のプログラムの企画に入りました。もっと役立つ内容にしていきたいそうです。

教える方も教わる方もやることは増えているのに、前向きな活気がでてきました。Kさんの得意はチーム力向上に一役かってくれています。ありがとう、Kさん!

メンバーの得意を仕事にしよう!

「あるもの」をつなぐ No.12 小林シンイチロウ” に対して6件のコメントがあります。

  1. シオタリョウコ より:

    小林さん!ドラマを見ているような感覚です。感動しています。

    私にとって小林さんのチームは(お会いしたことないですが)身近な存在になっていて、特にKさんは私にとって目が離せない方です。

    「部下が大切にしていること」を上司が一緒に大切にしていくことの価値について前回のブログでも教えて下さいました。SFブログ読者Cafeでもテーマとなった「大切」。

    互いの大切を尊重して、あたためて、育んでいくと小林さんのチームのように素敵な世界が広がるんですね。
    これからの仕事に勇気をもらいました。ありがとうございます。

    1. 小林シンイチロウ より:

      シオタさん

      コメントありがとうございました。
      Kさんを身近な存在に感じていただけて嬉しいです。
      ぜひ見守っていただければと思います。

      Kさんはこれから会社人生の卒業に向かっていきますが、
      「良い会社人生だったなあ。良い仲間に恵まれたなあ」
      なんて思ってもらえたら本望でございます。
      卒業式はぼくが主催できたらいいなあ、なんて思っています。

  2. シオタリョウコ より:

    何て素敵な”卒業式”。ウルウルしちゃいます。
    陰ながら、Kさんファンの一人として見守らせていただきます。笑

  3. おっくん より:

    小林さんへ

     僕は60才定年の転職組です。会社員であれば誰もが選択を迫られる人生の分岐点ですよね。左はこれまでの延長線、右は新たな挑戦の道。

     僕は「身体が動けるうちにやっておくべきことがある」と右を選びました。職場においても、頼りになる後輩たちに後を任せることができたのがそれを後押ししてくれました。今、振り返ってみても「起こったことは最高さ!」と新しい道を選んだことに誇りさえ感じています。

     そんな僕から見ると、若々しく何でもチャレンジ出来そうなKさんが、シニア社員として会社に残る道を選ばれたのは、会社の中に自分の居場所を持っているからなんだろうと確信しました。周りの人から必要とされるってことがどれほどありがたいことかを味わってるんだろうなと。
     そんなふうに強く思わせてくれる上司がいたら、僕の人生も変わっていたかもしれないですね。

     結局、テーム作りってお互いをよく知るところから始まるのかなあって、小林監督の映画「Kさん」を観ながら想像しております。
     さあ、今日も良いとこ探しの旅に出かけてきまーす!

    1. 青木安輝 より:

      「小林監督の映画『Kさん』」てイイね!まさにそんな感じがする。決してニュース報道じゃなくて、映画なんだよねえ。ニュースだったら2行で終わるような事実の奥にある人間ドラマをしっかり見つめようとする。しかもストレートな肯定目線で。そして観た人々の中に主人公の残像がしっかり残る。んんん、おっくんナイス♪

  4. 深山敏郎 より:

    小林さんのKさんへの対応、いつも頭が下がります。もし私がKさんだったらと考えると、小林さんのような人との出会いに恵まれたKさんは幸せ者ですね。私も同じ気持ちです。今後も宜しくお願い申しあげます。

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