SF伝道者の四方山話 No.35 青木安輝

「タロットクエスト(TQ)」という個人セッションのオンラインプログラムの参加者募集を始めましたが、まだお客さんになってくれる人が現れていません。そこで相棒の岩本さんと相談したところ、どんなことをやるかの具体的イメージが湧くような情報提供ができれば興味を持ってくれる人が増えるだろうと意見が一致して、プロモーション動画をつくることにしました。僕自身がキャプテン(TQの主役)となり、岩本さんにナビゲーターをしてもらって、約17分間のミニ・セッションをしました。

事前の打ち合わせでは、それを編集して、TQのやり方のポイントが伝わるような3~5分程度の宣伝用ショートムービーにするはずでした。ところが、短時間のセッションにもかかわらず、僕自身はクエストした内容に関してやりたいことがとても明確になってきて、セッションが終わったらとても前向きな感覚が高まりました。また、岩本さんもナビゲーターをしていて、とても楽しかったと言うのです。じゃあ、このままサンプル・セッション動画として公開してしまおうということになりました。

さて、ここまでが前置きです。よかったら動画も見てから、この後をお読みください(^^♪

このミニ・セッションでは、「SFを伝える講師を増やしたい」というのをテーマにしたのですが、そのテーマがなぜ重要なのかを探索するために最初に引いたタロットは「ワンドの9」。これは「一杯いっぱい自分で抱え込んでいて、かなりお疲れモード」という意味あいのカードであるとのこと・・・。

これまでのことを振り返ってみると、今までSF講師養成講座みたいなものは開催したことがなく、基本セミナーを受講したら皆さん好きに自分で応用すれば良いのではという構えでいたので、積極的にSF講師を生み出すことをしてきませんでした。自分が前期高齢者となり、コロナ後は仕事も減ったこともあり、まあこのままフェードアウトしてもいいかなあという気持ちになることもありました。しかし、そう思った瞬間、いや、待てよ、自分がやってきたことはまだまだ色々な人のお役に立てるはずという反対の気持ちが湧いてくるのです。そして、両方の気持ちの間を行ったり来たりで「考え過ぎ」の状態になっている。それが「お疲れモード」の意味なんだろうと自覚しました。

では、「SF講師を増やす」にはどうしたら良いかを探求するために次のタロットを引きました。出てきたカードは「The World」。「仲間と一緒に自分の思い描く世界を完成させる」という意味であるとのこと。

岩本さんが「いいカードが出てきましたねえ!」というニュアンスでこのカードを紹介してくれたので、なんだか自然と嬉しくなってしまいました。そして、カードの四隅にいる鳥やライオンなどの動物たちに対してなんだか親近感を感じました。その瞬間、「SF講師ってのは、金太郎飴のように誰がやっても同じ説明ができるようなものではなく、むしろやる人によってその個性が活かされて違うものができる。だけど、SFっていう同じ世界観を感じさせてくれる。」そんな“世界”が見えた気がしました。鳥は鳥らしくやればいいし、ライオンはライオンらしくやればいい。だけど、SFっていう世界の仲間感覚はある。そんなコミュニティーをつくってみたいなあという気持ちがここでグンと高まりました。

さらにそのカードの絵柄の中心に居る女神像の意味を聞いたら、鎧を脱いで裸、つまり自分の素のまま、ありのままの状態でいることを表しているとのこと。ああ、それこそまさに自分が目指したい姿!知っていることは伝える、わからないことはわからないと正直に言う、心の中にはいろいろな気持ち(良いも悪いも)が湧いてくることに対して許容的である、そんな素の自分であることを許している姿が安心感のオーラをまとい、周りにいる人たちもそれぞれの個性が出しやすくなっている。そして連帯感を感じられる。これはまさに目指したい世界だ!

で、次はそんな世界をつくるために何をしたらいいかを探索するためのタロットを引きました。出てきたのは「The Lovers」。パートナーシップを表すカードであるとのこと。一対の男女が描かれた絵柄。そこでピンと来たのは、大勢の生徒が並んで座っている前で先生が講義をするような形態ではなく、一人ひとりの講師候補の人とパートナーシップを築くような形で、お互いに影響を与え合うような関係を持つことが重要だということ。

そこで2人の人が思い浮かびました。一人は自治体職員で、最近庁内の若手向けにSF研修を実施して、受講した若い職員たちに大いに感動や刺激を与えたというNさん。事前に相談を受け、少しサポートさせていただきました。もう一人は、自分が住んでいる地域でSF研修やSFを応用したプログラムを広めて明るい未来を創るというプロジェクトを現在進行中のUさん。Uさんは「SFプログレス」に参加中で、そこでサポートさせてもらっています。彼のSF研修も現在高い評価を得られています。そして、不思議と二人とも異口同音に「青木さんの教えてくれた通りにやっただけです」と言ってくれるのです。しかし、その内容を拝見すると確かに僕のやったことをなぞってはいるのだけど、二人ともその個性がよく出ていて、僕から見ても面白いんですよね。こんな風に僕のセミナーを叩き台にして、その人らしいセミナーを創り上げ、人が喜ぶようなセミナーをやってくれる人を増やすってのは、僕にとっても多分相手にとっても超嬉しいことなんだろうとあらためて強く思えました。

動画の実況はここまでにしますので、興味があるけどまだ見てないっていう方はこちらでご視聴ください。

今回のブログ記事でお伝えしたいことはただ一つです。職業が研修講師であるかどうかにかかわらず、SFを伝えたい相手がいて、「『それでいいんじゃない♪』と軽く背中を押してもらえさえすれば、セミナー、研修、勉強会、コーチング等、どんな形であってもSFを伝えたい!」そんな想いを持っている人の応援をしたいってことです。今この気持ちを具体的にどういう形で現実の形にしていくかを考え中です。こういう風なのがいいというご希望があれば、ぜひご連絡ください。僕が引退するのはまだまだ先だとは思いますけど、それまでの間になるべく色々な人が自信を持って「SFを伝える」ってことをやれるように応援したいです。きっと楽しいプロセスになると思います♪

SF伝道者の四方山話 No.35 青木安輝” に対して7件のコメントがあります。

  1. おっくん より:

    青木先生へ

    “百読は一視聴にしかず”ですね。
     ビデオで青木さんの頬が徐々に紅潮してくるのを見ているだけでTQの良さが伺えるようです。岩本さん自身がその変化を一番楽しんでおられるようでした。見事なコラボだと思います。

     今回のようにもしかしたら「自分の迷いを自分で乗り越える」ような力が働いているとしたら、それはそれで相手にアドバイスを受けるときのように自分の置かれている状況を理解してもらう時間や労力は必要なく、意思決定への最短の道のりなのかもしれませんね。

     また、組織の中で人の力を引き出すためのひとつの方法として、今回のような取り組みはとても面白いのかなあと感じています。一人ひとりが本当にやりたいことは何なのかを知ることも、チーム全体をまとめる上で大切なのかなあと。方法は違いますが、なんだか小林さんのチームを思い起こします。

     最後にSF伝道者の真価が問われるのは百年後かも知れません。
     「歴史に名を残してください!」ね😊

    1. yasuteru より:

      おっくん、いつもコメントありがとうございます。大事なポイントをしっかり読み取ってくれた上で、ユーモアも交えて返しのコメントをくれるのは本当にありがたいです!
      いつも思うんだけどさ、おっくんはこれだけのコメントを書くのにササッと思ったそのままを指で文字に変換して一瞬(数分?)で書けてしまうの?それとも、何度も書き直したりするの?僕は後者なんですよ。しゃべるのなら即興で間違いもごまかしたり言い直しながらどんどん先に行っちゃいますけど、文字に残るものは何度も見直して書き直すことが多いです。おっくんはどう?(秘密でもいいけど・笑)
      最近さ、ChatGPTの威力を見せつけられて、悔しいけど生成AIのアバターとやりとりすることでかなりレベルの高い(質的に安定している)支援的会話が成り立つのを見聞きしたり、自分でも体験してます。ニュースでも扱ってたけど、これならAIがベストフレンド(場合によっては恋人)って人が現れても不思議じゃないって思います。
      で、タロットクエストでは可能で、AIにはできないことって何なんだろうと考えてみました。(この答えもAIに出させてみるっていう誘惑にかられたけど、ここは自分の脳みそを使いました・笑)
      まずおっくんが言うようにTQだと「自分の迷いを自分で乗り越える」というキャプテン感覚がより強く持てる可能性があると思います。AIがあまりにも”賢い”回答をすぐにくれるので、もう丸投げしたくなっちゃう。そうすると自分がキャプテンであるという感覚を逆に捨てることにもつながってしまいそうです。
      それとTQではナビゲーターという生身の人間の存在がそのプロセスを見守っているので、自分の語りに関する「証人」がいるということで、頭にあるだけだと「一時的にそう思っただけ・・・」みたいな軽さのことに重みがついてしっかりと顕在意識に定着していく可能性があります。AIとのやりとりのように文字記録が残るってことも証人の代わりにはなるし、AIを擬人化している人にとっては人間よりも信頼しているなんて場合もあるでしょうけど、昭和感覚の僕のような人間としては、生身の人間というのはZOOMであっても温かみと真性な(ツクリモノでない)存在感が感じられます。
      あと、これ意外と重要だと思うんだけど、人間は面白い間違いを犯したり誤解する。だから良いのである!AIっていつもちゃんと常識的で良い情報を網羅的に教えてくれるけど、だからつまらない!!間違いを犯せるってことは、AI時代では貴重なことかも・・・。このことに関しては、まだ今の段階ではうまく表現できませんが、生成AIの綺麗にまとまった文章を見るたびに「つまんねえやつ」っていう感覚が湧くんですよね(嫉妬もあるかな・笑)
      あ、おっくんへの返信であることを忘れるくらい自分の考えに没頭してしまいました(;’∀’)すみません。そのくらいおっくんのコメントが刺激的だったということで!

      1. おっくん より:

        青木さんへ

        1つ目のお返事
         ササッの時もあるし、一度書いたものを消すときもあるし、考えていたこととは別に指が動くこともあります。
         行き当たりばったりのそのときが最高なのさって感じかも。でも送信する前は何度か読み直して、うまく受け取ってもらえることを祈っています。
        実は今回は少し不安もあったんです。
         青木さんのように高尚な内容?にはこちらの高尚が引き出されるんでしょうね。面白いです!

        二つ目のお返事
         aiには期待はしますが、今のところほとんど使ったことはありません。もしaiが青木さんの紅潮した頬のディテールを再現したら興味を持つかもしれないですね。青木さんの仰る通りのような気がします。

        追伸
         青木さんかtqのカードを見てお話ししていた内容って、僕にはもうすでに青木さんには体現されていることだよなあって思ってました。深みや高低感の感じ方の違いでしょうか。僕には今のままでいい感じなんですよ、ほんと!

        1. 青木安輝 より:

          おっくん、さらなる返信ありがとうございます!
          「追伸」で書いてくれたことは嬉しいですし、その方向にある程度進んではいると思うのですが、潜在的にSFを広める能力や意欲をもっている方に僕がもっとリーチしたいなあっていう想いがあるってことですね。そのために三方良しのシステムを考えたいと思っています。おっくんのアイデアにはなるほどと思うことが多いので、何か思いつくことがあったら教えてくださ~い。よろしく~

        2. 青木安輝 より:

          追伸:
          おっくん、一つ目のお返事もありがとうございます。おっくんの軽快な文章はどんな風に出てくるのかなと興味津々だったのですが、結構自分とおんなじ感じなのかなあと、なぜか安心しました(笑)
          これからもよろしくお願いします。

          1. おっくん より:

            とんでもないアイデア

             多くの偉人の晩年は弟子の育成(教育)だと思います。(ほんとかどうか?)
             本当は義務教育で子供たちに教えることができるといいなと思ったこともありました。文科省?廿日市市?

            やっぱりいい加減ですいません🙏

  2. 青木安輝 より:

    おっくん、ナイストライ!

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