SF伝道者の四方山話 No.32 青木安輝

タロットで”SF inside”なストーリーメイキング♪

これまでに3回開催した「アプリシエート」に皆勤賞でタロットに詳しい岩本美恵子さんとコラボして、SFQTというワークショップをやってみようという打合せが進行中です。SFQTは、”Solution Focus Quest with Tarot”の略で、「タロットを活用した解決志向的自己探究」という意味になります。なんだか面白くなりそうなので、ブログでその途中経過を報告しておきたいと思います♪

(後日、SFQTの名称は「タロットクエスト(TQ)」に変更されました。この記事の後半では変更後の名称に変えてあります)

タロットカードはもともとはトランプのようなゲームだったようですが、今では占いのツールとして使われています。僕は占いは好きな方ですが、超越的な霊感を持っている人に依存する類のは、わからないものに支配されて自分を見失う気がするので避けています。むしろ、自分の中に湧いてくる”答え“を心の耳を澄ませて自分でキャッチするという形の「裏をなう」意味あいでの”うら・ない”が面白いと思っています。

【”うらなう”は自己観察心理学!?】

占うは「裏をなう」という意味だというのは、僕がまだ学生の頃、八王子の高尾山のふもとに住んでいた密教行者に教えてもらった考え方です。簡単に説明します。

占いを必要としているのは、人間が迷っている時で、心の中に相反する情報や想いが混在していて一つに決められない時、例えば所有しているものを売った方が良い(A)か、売らない方が良い(B)かに関して色々な考えが錯綜して決断できない等という場合であるとします。どちらの選択に関しても、した方が良い理由、しない方が良い理由に関する情報は沢山集めたけど、肝心の決断ができない。そんな時、ツールを使ってAかBかの答えを得ようとするのが占いだとします。ツールは「コインの裏表」だろうが、「棒がどちらに倒れるか」だろうが、何でも良いのです。しかも出てくる回答もどちらでも良い(!?)というのです。

大事なのは、その回答が出た瞬間に、本人の心の反応がどのように起こるかをキャッチすることなのです。それはかなりの部分身体反応としても感知されます。例えばさきほどの例で、コイントスをして表が出たら「A(売る)」、裏が出たら「B(売らない)」と決めておきます。そして実際にコインを投げて“表”が出たとします。その瞬間、「ああ、やっぱり売ればいいんだ!」に近い肯定的反応(ホッとする、息が深くなる、思わずニンマリする、他)が起こるか、「えっ、売らなきゃいけないの!?」に近い落胆反応(息が詰まる、体温が下がる、眉間にしわが寄る、他)が起こるか、あるいはそれ以外の反応が起こるかを自己観察により敏感に感じ取り、それを自分の無意識からのメッセージとしてとらえることだというのです。

意識的思考では考えれば考えるほど迷ってしまうってことありますよね。その限界を超えるために、無意識が示してくれるシグナルを、自分が持っている全ての情報を総合して出した答えだとして受け取ってみようという試みであるというわけです。“裏”(心の奥)にある色々な思考や想いを目的に合わせて“なう”(まとめる)という行為を自己観察によって行うので、神秘的なものというよりは、むしろ心理学に近いのかもしれません。そして無意識は膨大なメモリー量のAIみたいなものなので、一瞬にして回答を示してくれます。逆に言うと、一瞬しか示してくれないので、それをキャッチする注意深さは必要です。

【「タロットクエスト(TQ)」におけるタロットカードの使われ方】

タロットカードは78枚からなるカードセットで、人生の重要なテーマや日常の感情や状況を反映した言葉と絵が描かれています。占いのツールとして使われる場合は、占い師が引いたカードの意味あいを「・・・というカードが出ました!なので、これからあなたの・・・は~になっていきます」等と”勝手に“解釈して一方的に相談者に伝えていくわけです。

TQにおいては、相談者にあたる人をキャプテン(人生航路の船長という意味)と呼びますが、タロットが示してくれるシンボリックな意味あいが、自分の課題にどう当てはまるのかはキャプテン自身が解釈して、語っていきます。その際に、カードの意味合いを知った瞬間に自分の内側に湧いたイメージ、響いた言葉、喚起された想い等を、無意識からのメッセージとしてキャッチすることが重要になります。

そして聴き手となるクエスト・ナビゲーターが、“SF inside”な姿勢でキャプテンの語りを傾聴します。OSKARモデルのような定型的ガイドラインがあるわけではないし、時には一見ネガティブな切り口のカードも正面から取り上げますが、最終的にはキャプテンが望むような航海ができるようにと解決志向的なサポートをします。主役はあくまでもキャプテンです。

【セッションの実際】

これまでに岩本さんと僕で試行セッションをしたり、知り合いにモニターになってもらってやってみましたが、大変興味深い体験となりました!こんなに色々なストーリーが自分の中から出てくるなんてビックリ!という感想を異口同音にいただきました。

僕の体験を少しだけシェアさせてもらうと、タロットでは一見ネガティブな意味あいのカードもあって、僕はそれが出てきたときドキッとしました。しかし、その瞬間思ったことを語っていくうちに”SF inside”な捉え方ができるようになり、後々そのカードが示すことが、ある種の“救い”になっていきました。不思議ですね。

タロットカードは、人生の様々な側面をシンボリックに表す表象をつきつけてきますが、それが示すものを、自分の人生、そこにおける課題や目的等とどう結びつけるか、そしてそれを語る中で紡がれていくストーリーをどう活かすかは、キャプテンの感性次第です。”SF inside”なナビゲーターとコラボし、タロットからの刺激をきっかけとして自分の中から湧いてくる言葉がどのようなストーリーとしてまとまっていくのか、とてもワクワクします。あまり辛気臭く捉えずに、これは自分の人生を題材としたノンフィクション的なエンタメ作品をクリエートする行為だと思っても良いし、その方が気楽に自分の創造性を活かせると思います。自分によって自分のためだけに描かれた固有の面白さをもっているストーリーは、その後の人生の出来事を自分のために有用に解釈していくためのリソースとなる可能性が高いです。

これはゆくゆくは個人セッションとしてやりたいと思っていますが、まずはワークショップで試行的体験(テイスティング♪)をしていただこうと鋭意企画中です。お楽しみに!

★★2025年2月以降「タロットクエスト(TQ)個人セッション」はオンデマンドで開催されています!

SF伝道者の四方山話 No.32 青木安輝” に対して4件のコメントがあります。

  1. おっくん より:

    青木先生へ

     人の心理って面白いもんだなあって感心しながら読ませていただきました。
     
     ひょっとしてアプリシエートがSF物語の終着点?なんて思ったりもしましたが、なんのなんのそんなことはなかったんですね。人との出会いによってさらに何かが生まれるんだなあって驚きながら喜んでいます。

     また、コイントスの結果によって無意識が表面化するお話も関心させられました。自分以外の人との関わりってAかBかの迷いだらけの僕にとってはとても参考になりそうです。

     そっとポケットにコインを忍ばせて歩いてみようかな! おっくん

    1. 青木安輝 より:

      おもろい♪「そっとポケットにコイン!」

      指先でさわっただけでオモテウラがわかるようにしておけばさぁ、コインを出さずともポケットに手をつっこんだだけで、「自分はどうしたい?」の答えが見極められるかも(笑)
      なんか歌ができそう・・・

      ”♪そっとさわったポケットのコインはオモテだったからぁ~
      思い切って君に伝えることにしたよ~♪”

      なんてね(爆)

      おっくん、いつも楽しいコメントをありがとうございます!!

      1. おっくん より:

        ♪でもーそーれはぁ
          コインのーせいじゃあなくぅ〜
         ぼーくのほんとーうのきもちなんだーよ♪

        1. 青木安輝 より:

          その通り~~~♪

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