SFはソリューションフォーカスの略です。米国で生まれたカウンセリング技法のSFA( Solution Focused Approach)を源とし、それを組織内コミュニケーション活性化のために欧州のSOL World(Solutions in Organizations Linkup)のメンバーが様々な応用形態へと発展させました。それらを青木安輝が独自の解釈で整理をし日本語に翻案した内容をここでは「SFコミュニケーション」と呼んでいます。下記の定義を学びと実践のためのガイドラインとして採用しています。

[SFコミュニケーションの定義]

SFとは望む未来を実現していくためのコミュニケーション技法である。

他者を尊重し、多様な価値観を受けとめる態度を基本姿勢とし、
「既にある肯定的要素」
「望む未来の内容」
「望む未来に向かうための小さな変化」
に焦点をあてる。

結果として、ポジティブ感情を伴ったコミュニケーションが活発になり、 望む未来に向けた豊かな発想や自発的な行動が生まれる可能性が高まる。

この定義は、EBTA(欧州ブリーフセラピー協会)の研究助成を受けた組織内コミュニケーションにおける 「SFコミュニケーション指標づくりプロジェクト」の中で生み出されたものです。85名のソリューショニスト(SF実践者)が、SF活用が成功しているイメージを自由記述方式で言語化したデータを1854個の意味の塊に分解し、それらをグルーピングした結果得られた8つの要素を「SF コミュニケーションの定義」の形で文章化しました。

もともと一対一の面談状況で支援者が活用するためのノウハウとして生ま れたSFAが、組織のメンバー同士のコミュニケーション、家庭でのコミュニケーション等、日常の様々な場面のコミュニケーションを前向きなものとするために有効であることを表現した定義と言えます。

青木安輝の造語

各用語の右端の + マークをクリックすると解説を読むことができます。

◆OKメッセージ

相手や状況を肯定するメッセージ。SFAの「コンプリメント」とほぼ同義だが、直接言語で伝えられるものだけでなく、非言語メッセージも含むより広範囲の概念。日常生活の中では、「ほめる」等の意図的に発せられた言動だけでなく、気持ちの良い笑顔で挨拶をしてもらった、メールの返信がすぐにもらえた等の行為が自分のことを大事に思っていてくれる証としての「OKメッセージ」と受け取られる等、相手に「自分のことを大切に扱ってもらえた」と感じさせる行為は、意図的であれ無意識的であれ「OKメッセージ」の範疇に入ると考えられる。

◆”SF inside”

直訳すれば「SF内蔵型」の意。組織が”SF inside”宣言をして、積極的にSFコミュニケーションに関する教育が取り入れられることによって、従業員の満足度が高く、生産性の高い会社(職場)を示すようになれば面白いと、青木安輝が提唱した表現。その後、様々な意味に拡大解釈され、学習と実践によって個人に内面化されたSFパターンが日常的に活かされている様子や、もともとSF的な要素をもっている人のことを指すようにもなった。

◆自然好反応連鎖(CNPR )

CNPRは “Chain of Natural Positive Response”の 略。ソリューションフォーカス研修を導入した組織の中で、意識的に肯定型コミュニケーションを心がけるメンバーの影響によって、SF教育を受けていない者も自然と肯定型コミュニケーションを交わし始めることで、人間関係や協働関係が連鎖的に良くなっていく様子を表した言葉。意図的な指示や促しがないのに、肯定メッセージに肯定的に反応しようとする人間の特性が連鎖する様子。

◆マインドデジタル(快ー不快調整)

思考に良い悪いの価値判断が含まれると、思考と感情の自動連動関係によって「快ー不快」の感情が起こる。それによって次にインプットされる情報に対して「快なら肯定的」「不快なら否定的」なバイアスがかかってしまう。目的を持った会話をしている場合、相手の表情、声のトーン、仕草等に「不快」が表れていることが観察できた場合には、思考の上で否定方向に傾く要素が働いた可能性がある。なので、会話をそのまま続けずに「快」方向にリードするか、ブレークを入れてニュートラルモードに戻してからその先を続けた方が、早くその会話の目的を達成できる。「良い」「悪い」の二元論的思考を0か1かの2進法(デジタル思考)になぞらえて、この考え方に基づく「快ー不快」調整プロセスを「マインドデジタル」と呼ぶ。

◆ASFパーソン (already solution-focused person)

Already solution-focused personとは、セミナー等で学ぶ以前から自然に解決志向的な考え方や捉え方をしていて、コミュニケーションの中にもそれが肯定的に現れているように見える人のこと。実際には、その度合いが0%の人と100%の人がいるのではなくて、誰もが0と100の間にいると考えられる。また同じ人でも、状況によってそれが表現される度合の高低があるともいえる。スウェーデンのソリューショニスト、マイケル・ヤート(Michael Hjerth)は次男が5才の頃、悩みを抱えていた自分に自然とソリューションフォーカスな質問をして助けてくれたエピソードを紹介している。