大阪府 八尾市役所 監督職(主査)対象「ソリューションフォーカス研修」
この研修は例年「対面集合研修」として実施されていたものを、新型コロナ感染対策上完全リモート型で実施することとなり、講師と受講生が直接顔を合わせることがないだけでなく、受講生(31名)も一堂に会することなく開催されたものです。「人間同士のコミュニケーション」を扱う内容であるのに、対面集合できないという制約のため、当初は研修の質が落ちるのではないかと関係者の誰もが危惧しておりました。ところが、まさに瓢箪から駒という表現が当てはまるくらい、予想以上に受講生の皆さんの反応が良く、研修期間中に既に成果を生み出している様子が具体的に読み取れるレポートが提出されました。オンライン研修の可能性を拓く事例として、その概要および受講生の声をお伝えします。
研修概要
研修の目的
<受講生への研修周知文書からの引用>
「学習する組織」を形成するための要素はたくさんありますが、新任監督職の職員に期待するのは、「組織でのコミュニケーション」と「課題解決志向を持つこと」です。
そこでこの研修では、「問題よりも解決に焦点をあてる」ソリューションフォーカスという考え方、コミュニケーションの手法を学習します。また、今年度の実施に関しては、新型コロナウイルスの感染症対策のため、講師から各回に合わせた課題が送付され、動画を視聴した上で取り組みを行うリモート版として実施します。
実施タイムライン
10月中旬「受講ガイドライン」および
「事前課題」を受講生に配信
10月下旬 第一回講義動画(40分)配信
各自視聴の後、小人数(4人)
でのグループ実習
11月上旬 受講者レポートNo.1提出
講師からの総評コメント配信
11月中旬 第二回講義動画(90分)配信
各自視聴の後、グループ実習
11月下旬 受講者レポートNo.2提出
講師からの総評コメント配信
12月上旬 第三回講義動画(90分)配信
各自視聴の後、グループ実習
12月下旬 受講者レポートNo.3提出
講師からの総評コメント配信
研修の特長とその効果
★研修コンテンツは、資料(PDF)データおよび動画配信で伝えられるため、受講生各自のペースで都合の良い時間に受け取ることが可能。
★リラックスした状態で回りのことを気にせずに、しかも気になるところは繰り返し視聴したり読んだりできるので、学習効果が高まる。
★コミュニケーション実習は少人数で自主的に行われるので、自発性が発揮される。
★受講者レポートで各ステップの学びを自分の言葉でまとめることにより、自分事としての学びが深まり、受講者全員のレポートが匿名で共有されることにより相互学習が深まる。
★レポートへの講師総評コメントが受講者のコメントを肯定的に引用する形式であることにより、学習意欲がさらに高められる。
研修期間中および受講後の研修生の声(受講者レポートより抜粋)
受講者レポート No.1より
◆第1サイクルを終えただけですが、この研修を受講することが出来て、自分自身、とても日常で活かせる機会の多い内容で
あると実感しています。もっと早く受講
したかったと思いました。第2サイクルも楽しみにしています。
◆プラスの眼鏡で見ようと意識するだけで相手の話す内容の背景をイメージしたり、より内容を理解しよう、話をよく聞こうとしている自分に気づきました。なんとか良いところを探すというよりは、すごく自然とできて、正直驚きました。普段マイナスな部分に気をとられているので、プラスの眼鏡でポジティブで居たいと思いました。
◆嫌だと感じることを人から言われたときに、今までであれば嫌な気分になって終わっていたものが、プラスの眼鏡を意識することで、この人は何を考えてこういうことを言うのだろうという、違う角度から物事を考えるきっかけとなり、自分にとっても多角的に物事を捉えられることに役立つと思います。
受講者レポート No.2より
▼相方の後輩に仕事をまかせようと思っても、つい口を出したり、手を出したりすることがあった。しかし今回は見守ることにした。視点もソリューションフォーカスで見るようにしていたので、その子の良いところ、出来ているところばかりが目につき、もっと早くに任せることが出来たと感じた。後輩も認めてもらえていると実感できたようで、自信のある発言が多くなり、積極的に仕事に向き合っている。
▼分かりやすく、時間をかけてじっくり考える時間を貰えるので、より深く理解できたと思う。実技もセットになっていて学びやすい。少人数で決まったメンバーでのグループワークなので、緊張せずに学べる。
▼職場が変わったばかりで人間関係に悩んでいた友人がおり、なかなか馴染めずしんどいと漏らしていた。そこで、OSKARモデルに沿って友人にいくつか聞いてみたところ、友人が職場の人とどうなりたいのかという具体的な未来がはっきりとし、今自分がこうしたらいいのでは、というスモールステップを考えるところまで解決に向かって進むことが出来ました。
受講者レポート No.3より
★終業後に1日の業務を振り返る機会が多いのだが、その時に隣の席の人と互いを誉め合うようにした。すると、今日1日でこれだけ頑張れた、明日も引き続き頑張ろうと前向きな気持ちを持つことができた。
★コロナの影響で業務が下半期にまとめて実施することになり、さまざまな業務が重なった。業務を円滑に進めるため、各業務に対して肯定的未来を定め、課内で共有することで、大きな問題が生じることなく業務を進めることができた。
★入庁してから受講した研修の中で断トツ1位でよかった。仕事やプライベート、今後の自分の人生までもSFを意識するだけで、よりよい未来を描ける気がした。コロナによってグループだけで研修をすることになったが、それもよかった。研修ってグループ発表が多いので結局「かっこいい答え」を考えたりしてしまうが、今回は気取らずに普段感じたことや些細なことだってグループの中だけで気軽に話せたので、純粋な素直な気持ちで研修を楽しむことができた。主査だけでなく、受講したことがない監督職以上の職員や管理職の方々にもぜひ受けていただきたい研修だと強く感じた。
リモート型研修について
リモート型研修に関しては、いくつかのパターンが可能です。この事例のように完全リモート、つまり講師と受講生が一堂に会することがまったくない形式もありますし、受講生はソーシャルディスタンスをとりながら研修室に集まり、講師がZOOMにより遠隔登壇する方式、または受講生が個々に端末を持ちZOOMミーティングに参加する形式等です。状況に合わせてカスタムメイドの研修を企画させていただきますので、リモート型でのソリューションフォーカス研修を開催することをご検討されたい場合は、まず問い合わせフォームより、ご希望される内容に関してご連絡ください。折り返しこちらからご連絡させていただきます。連絡はメールが良いか、電話が良いかのご希望もご記入ください。どうぞお気軽にお問合せください。
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