「ミドルエージャーの100年人生俯瞰」 

第一回 2018年2月11日   第二回 2018年4月29日

プログラム案内

「ミドルエージャーの100年人生俯瞰」という参加者対話型ワークショップは、そろそろ還暦を迎えるという年齢になった私が、今までの半生を振り返り、これから先まだ数十年続く可能性のある人生をどう生きるかについて考えていることや迷っていること等を人に話したい、他の人がどう考えているかも聞いてみたいという願望を持ったことが発端となり企画することになりました。

この変化の激しい時代にあって、前世代の生き方が直接参考にならないことがとても多くなりました。従来の既存パターンの中からの選択だけでは自分の状況には合わない、自分独自の生き方が必要だと思う人が増えています。自分はそんなに特別ではないからと”フツー”に生きようとしても、既定路線が引かれていない領域が増えてきたのではないでしょうか。自分が納得できる自己流の生き方を見つけていくためにも、多くの人とLIVEに対話をすることが役に立つはずです。同じ考えの人、びっくりするほど違う考えの人、様々なバックグラウンドの人と対話を重ねることで、自分が考えていること(いないこと)が明確になってきます。

「ミドルエージャー」は単に中年期の人という意味ではなく、今までの生き方とこれからの生き方の中間(middle)にいて、自分の可能性を見直してみたいと思っている人という意味をもたせています。また、いろいろな経験をしてきて、何が幸せと思えるのかに関しての知恵が深まってきているので、バランスのとれた中庸(middle path)なあり方の大切さを認識している世代という意味も含んでいます。ですから、40代、50代、60代、70代の人生のミドルポジションにいらっしゃる方はもちろん、20代や30代でも「これまでの人生」と「これからの人生」をSF的に俯瞰してみたいという方に参加していただきたいです。

第1回終了時の集合写真
対話風景

参加者アンケート回答

この右側に書かれたアンケート回答は第二回に参加された田近徹太郎さんが書かれたものです。

この回答内容は、私がこのワークショップを企画した意図と見事に合致する部分、そして私の期待を超えた内容を含んでいて、このような人生を語るワークショップにおいては、主催者の想定以上の対話体験や内省体験が起こり得ることを表していると思いましたのでご本人に許可を得て、公開させていただくことにいたしました。

青木さん、

先日はお疲れさまでした。「ミドルエージャーの100年人生俯瞰」WSは(準備段階も含め)
期待以上の成果を得られました。以下にアンケートの回答を記します。(このアンケートも 自分が納得できるものにするまでに3日間かかってしまいました (^_^;) )

  1. 参加しての満足度を0(良いところなし)から10(十分に満足)で測るといくつですか?
    15 です。(期待していた成果100% ⇒ 結果150%だったので)
  2. 参加して良かったと思えたことは、どのようなことですか?
    ① 事前準備(自分の略歴作成など)をしっかりやっていったこともあると思いますが、WSの中で他の参加者に“自分”についてたっぷりと語ったことで、自分自身の過去をきちんと詳細に振り返ることができました。特に自分の過去にいくつかのターニングポイントがあったこと、その時に大きなパラダイムシフトが起こったこと、その瞬間の自分の気持ちの変化(感動や感情の動きなど)、そしてそれらによって自分の思考や行動が大きく変わったこと、などをはっきりと思い出しました。
    これらのいくつものターニングポイントの積み重ねで今の自分があるのだと改めて認識できましたし、 それらをこれからも大事にしていこうと思えたことです。
    ② これからの人生の中で“自分がやりたいこと”と“その理由”がとても明確になったことです。特になんとなく漠然と考えていた“やりたいこと”について“なぜ自分はそれらが気になったのか(それらをリストアップしたのか)?”の理由がはっきりとわかったことが、私がこのWSに参加して最も良かったと思えたことです。
  3. 自分の「これまでの人生」に対するとらえ方に影響があったことは何ですか?
    2にも書きましたが、自分のこれまでの人生の中でとても大事な瞬間がいくつもあって、
    それらを見返すことで、自分の人生においてとても大事なこと(考え方や物事の観方・捉え方)をリフレッシュすることができました。
    特に昨年の3月にスペシャルWSで「言わない決意・言わない勇気」というテーマで自分の定年退職後の話 をさせていただいたのですが、今回のWSの準備としてその時の資料をきちんと見返すことができ、それによって「言わない決意・言わない勇気」が私たち夫婦にとってとても大事なことであることが再認識でき、それをこれまで以上に意識することで、妻との日々の生活がより楽しく充実したものにできそうですし、この数日ですでにそれを実感しています。
  4. 「これからの人生」で実行したいこと、実現したいことにどのような影響がありましたか?これも2.に記述しましたが、「私の実行・実現したいことがなぜそれなのか?」の理由が明確になったことは実行・実現への大きな原動力になると思いました。
    40年近いサラリーマン人生を終えて、ずっと望んでいた妻と二人の悠々自適の日々が手に入ったときに、昨年、自分の中で無視できないネガティブな(重い)感情が出てきました。その感情を抱えながら今年の春まで悶々と暮らしてきましたが、今回のWSでそのネガティブな感情のもとになっていることがなんだったのか?そして自分が漠然と“実行・実現したい事”として挙げていたことが、その重い気持ちを和らげるためのものだったということがはっきりと見えてきました。私のネガティブ感情のもとになっていたのは老後(後期高齢者になった時)の生活基盤とこれから着実に近づいていく“死”への向き合い方でした。今回のWSで“自分がやりたい(実行・実現したい)こと”とそのロードマップを描けたことにより、老後の生活基盤に対しても、そして“死”に対してもポジティブに向き合えるようになりました。それは私がこれからの人生を豊かに楽しき生きていくためにとても大事なことだと思います。
  5. 他の参加者の語りを聴いて、影響を受けたことがあるとしたら何ですか?
    参加者のほとんどの方が、自身の人生の根幹に触れるような大事な話をシェアーしてくれました。そしてそれらを聴いているうちに、自分も“当たり障りのない話”ではなく、自分の心の奥にあるもの、自分の本音を話す覚悟ができました。それをやれたからこそ、このWSでより大きな成果を得られたのだと思います。
  6. 「ミドルエージャーの100年人生俯瞰」というタイトルについてどう思われますか?
    人生の約半分を生きてきたミドルエージャーが自分のこれまでの人生を振り返り、それらを生かしながらこれからの残りの人生をさらに豊かに楽しく生きていくためのWSである(参加者の本気度によるところは大きいと思いますが)と思いましたので、このタイトルでよいと思いました。
  7. このワークショップを他の人にすすめたいですか?「はい」の場合、どのような方に?
    「はい」ミドルエージャーはもちろんですが、若い方や後期高齢の方であっても、どんな方にもお勧めしたいです。
    “自分のことを他人にたっぷり語る”という機会はほとんどありませんし、さらに聞き手がSFマインドに溢れている方々なので、その中でこれをやるだけで どんな方でもきっと何かを手に入れられると思います。
  8. ワークショップの内容をさらに改善するとしたら、何を変えると良いですか?WSの構成と内容はとても良いと思います。一点だけ、自分を語る時間が30分あるともっとゆっくり考えながら話せると思いました。
  9. その他 主催者に伝えたいメッセージがありましたら、どんなことでもお書きください。
    アンケート4.では“安楽死”/“尊厳死”という言葉を使わないようにしました。この言葉はまだ日本ではほとんど受け入れられていませんし、違和感を覚える方もたくさんいると思ったからです。
    ただ、私の中では“安楽死”/“尊厳死”はとても大事な考え方で、これによって“死”というものにポジティブに向き合えるようになりました。
    今回のWSに参加するにあたり、その準備の段階で“死”についてしっかり考える時間を持てました。そして『“死は人生の終わりであって悲しいもの” から “人は死によって人生を完結するのであり死はとても大事なイベントである”』と思えるようになりました。
    死が“人生の完結”であるということは、その人生の幕閉めの時を自分が決めてもよいのではないかと思いました。
    私が今回のWSの前まで抱いていた大きな不安・恐怖は「自分の死期が近づいているとわかった瞬間から死ぬまでの時間をどう過ごすのか、どんな気持ちで生き続けなければならないのか?」というものでしたが、もし『自分の人生の完結(幕閉め)の時を自分で決められる』としたら私の中の“死”はとても大切で厳格なイベントとなり、その(微かな)可能性を見いだせたことで、これまでの不安や恐怖感はほとんど消え去り、ポジティブな感情で“死”に向き合えるようになりました。
    これが今回のWSで私が得た最大・最高の成果だったのですが、それをそのままアンケートの回答として載せてもよいのか?
    とても迷いました。私自身は載せていただいても全く問題ないのですが、とてもデリケートな内容だと思いますので、この9.の私の回答を載せるor削除する につきましてはWSの主催者である青木さんにその判断をお任せできればと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

田近